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力強い
「力強い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
力強いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
して来るのを感じた。母のひざを離れてから、何年にも感じた事のない、静かな、しかも
力強い安息である。――
「にいさん。」
馬上にある事も忘れたように、次郎はその....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
る寂しさが流れている。と同時にまた、主人と客とは、ひとしくこの寂しさから、一種の
力強い興奮を感じた。
「しかし絵の方は羨《うらや》ましいようですな。公儀のお咎《....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
い》の底に、埃及《エジプト》の軍勢《ぐんぜい》を御沈めになりました。この国の霊の
力強い事は、埃及《エジプト》の軍勢に劣りますまい。どうか古《いにしえ》の予言者の....
「沼地」より 著者:芥川竜之介
じ会場に懸かっている大小さまざまな画の中で、この一枚に拮抗《きっこう》し得るほど
力強い画は、どこにも見出す事が出来なかったのである。
「大へんに感心していますね....
「或る女」より 著者:有島武郎
る……そこにわたしはたゆまない希望をつないで行きます」
決心した所があるらしく
力強い言葉でこういった。何の希望! 葉子は木村の事については、木村のいわゆる神様....
「或る女」より 著者:有島武郎
とのように大海にのみ見る寛濶《かんかつ》な無頓着《むとんじゃく》なそして恐ろしく
力強い表情はなくなって、いらいらとあてもなく燃えさかる石炭の火のような熱と不安と....
「星座」より 著者:有島武郎
な冒険だった。「俺はいやだよ、よせよ」と自分にからみついてくるガンベの鉄のような
力強い腕を払い退けながら、柿江の足は我にもなくガンベの歩く方に跟《つ》いていった....
「想片」より 著者:有島武郎
れているけれども、もし私の理解が誤っていなかったならば、その唯物史観の背後には、
力強い精神的要求が潜んでいたように見える。彼はその宣言の中に人々間の精神交渉(そ....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
対する処決は単純を許さない。思慮分別の意識からそうなるのではなく、自然的な極めて
力強い余儀ないような感情に壓せられて勇気の振いおこる余地が無いのである。 宵か....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
果実でたわわになっていた。ある木などは葉がすっかりに考えた。 とにかく君は妙に
力強い印象を私に残して、私から姿を消してしまったのだ。 その後君からは一度か二....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
にわたる歴史がある。又私の身辺には有らゆる社会の活動と優れた人間とがある。大きな
力強い自然が私の周囲を十重二十重に取り巻いている。これらのものの絶大な重圧は、こ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
も、その心中には一分間の間も、省作の事に苦労の絶ゆることはない。これほどに底深く
力強い思いの念力、それがどうして省作に伝わらずにいよう。 省作は何事も敏活には....
「橋」より 著者:池谷信三郎
非常口へ殺到した。ソプラノの悲鳴が、不思議な斉唱を響かせて。……彼女たちは、この
力強い効果的な和声が、チァイコフスキイのでもなく、またリムスキイ・コルサコフので....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
、ラザルス君。そうして、僕たちが悦びを一緒に喜んでくれたまえ。この世の中に恋より
力強いものがあろうか。」 ラザルスは黙って二人を見た。その以来、この二人の恋人....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
癒の祈願でございます。母性愛ばかりはこれは全く別で、あれほど純な、そしてあれほど
力強いものはめったに他に見当りませぬ。それは実によく私の方に通じてまいります。―....