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力自慢
「力自慢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
力自慢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
たのであった。
三
あの容貌の醜い若者は、両腕を胸に組んだまま、しばらくは
力自慢の五六人が勝負を争うのを眺めていた。が、やがて技癢《ぎよう》に堪え兼ねたの....
「星座」より 著者:有島武郎
なもんだ。神経の連絡が……大脳と眼球との神経の連絡が(ガンベが『貴様は』といって
力自慢の拳を振り上げた。柿江は本当に恐ろしがって招き猫のような恰好をした)乱暴は....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
蹴立てて一目散に駆け出した。 (一九)一里競争 先頭は誰ぞと見れば、腕
力自慢の衣水《いすい》子|韋駄天《いだてん》走り、遥か遅れて髯将軍、羅漢《らかん....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
曳いた。たとい平安時代の殿上人にもせよ、実雅はともかくも武人の少将である、しかも
力自慢の大男である。その大男に強くひかれて、孱細《かぼそ》い左少弁は意気地もなく....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。殊に相手の正体がわからないので、ふたりは一種の恐怖に襲われて、茂八はふだんの
力自慢にも似あわずに、まず引っ返して逃げ出した。その臆病風に誘われて、喜平もつづ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
けれど、素より幽霊などの此の世に在る事を信せず、殊には腕力も常人には勝れ、今まで
力自慢で友人などにも褒められて来た程だから「ナアニ平気な者サ」と故《わざ》と口で....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
も忘れ、家へ帰ると、人一倍大めしをくらって死んだようにぐたりと寝てしまう。かねて
力自慢の才兵衛、どうして之を傍観し得べき。椴子のまわしを締め込んで、土俵に躍り上....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「へえ、河原で琵琶が聞えましたかね」 とそれにあいづちを打ったのは兵馬ではなく、
力自慢で頼まれた若い者。 「たしかに琵琶が聞えたよ、聞ゆべからざるところで琵琶の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
がすもの。 「おい、庭で一丁《いっちょう》」 新撰組の沖田|総司《そうじ》は、
力自慢が嵩《こう》じて相撲を一人ひっぱり出し、庭へ下りて四股《しこ》を踏む。 「....
「怪塔王」より 著者:海野十三
に真正面から組みつき、まるで横綱と大関の相撲のようになりました。 小浜兵曹長は
力自慢でしたが、怪塔王もたいへんに強いので、油断はなりません。 えいえいともみ....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
後じさりながら目を白黒。それをみて、 「はははは……そのざまは何だ。いくら貴様が
力自慢でも、貴様の手におえる相手ではない。早くひけ」 見ると、部屋のすみの入口....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
のようにびくともしない。軍曹の額からは、ぼたぼたと、大粒の油あせが、たれる。 「
力自慢で、わしが負けるなんて、そ、そんなはずはないのだが……」 幽霊は、わざと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
施行してみたところで、それが何だ。
ことにあの気ちがいじみた、まん円い坊主が、
力自慢をこれ見よがしに、あの木柱をかついで来て見せて、俗衆をあっといわせ、その図....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
ど人跡が絶果てました。 ところがな、ついこの頃、石動在の若者、村相撲の関を取る
力自慢の強がりが、田植が済んだ祝酒の上機嫌、雨霽りで元気は可、女|小児の手前もあ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
屋のオヤジである。五十がらみのデップリふとった大男で、昔は素人相撲の大関をとった
力自慢。幕末までは十手捕縄をあずかるヤクザ、俗に二足のワラジをはくという田舎にあ....