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力足
「力足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
力足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幻談」より 著者:幸田露伴
と踏《ふみ》堪《こら》えました。落ちる四人と堪《こら》える四人との間で、ロープは
力足らずしてプツリと切れて終《しま》いました。丁度《ちょうど》午後三時のことであ....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
実家のいかな盛衰にもあらわな情を見せまいとし、父はまた、父の肩に剰る一家の浮沈に
力足らず、わたくしの喜憂に同ずることが出来なかった。若き心を失うまいと誓ったわた....
「運命」より 著者:幸田露伴
て奇を出す。我軍は再戦して再挫し、猛将多く亡びて、衆心|疑懼す。戦わんと欲すれば
力足らず、帰らんとすれば前功|尽く廃りて、不振の形勢|新に見われんとす。将卒を強....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
に取返しにかゝる、遣るまいと争う機みに、何ういう拍子か手紙の半を引裂いて、ずんと
力足を踏むと、男はころ/\/\とーんと幡随院の崖縁へ転がり落ちました。其の時耳近....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
いたが、先に登りついた嘉門次は、崖の上から手を借して、片手で樅の幹を抱えながら、
力足を踏ん張って引きあげる、私も登ったが取り残された犬は、丸太を爪で、がりがり引....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
かった。忠三郎氏郷ウンと緊張した顔つきになって、無念である、サアもう一度来い、と
力足を踏んで眼ざし鋭く再闘を挑んだ。観て居る者は気の毒で堪《たま》らない、オヤオ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
高めになっている芝土の上へあがって来た。 ふと何かを見つけた蟹は、慌てて芝土に
力足を踏みしめ、黒みがかった緑色の甲羅がそっくりかえるばかりに、二つの真赤な大鋏....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
「今度は乗るぜ。」 やがて、甲羅を、残らず藻の上へ水から離して踏張った。が、
力足らず、乗出した勢が余って、取外ずすと、ずんと沈む。 「や、不可い。」 たち....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
寺ありてゆうべゆうべの鐘はここより響けど、鐘|撞く男は六十を幾つか越えし翁なれば
力足らず絶えだえの音は町の一端より一端へと、おぼつかなく漂うのみ、程近き青年が別....
「古井戸」より 著者:豊島与志雄
松木はそっぽを向いて、額の汗を拭いていた。 「それにしても……。」 方々を
力足で踏んで見ると、陥没の範囲が次第に大きくなっていった。 「掘ってみましょうか....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
生は骨をけずり肉をそぎ、したたる汗に血涙のにじむ月日を重ねたのである。しかも尚、
力足らず、患者は激増し、流行性肝臓炎は日本全土を侵略しつつある。慟哭したい悲しさ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の語を出し終りたる後は胸一杯、言うべからざる暗愁を醸し生じたり。自ら呼吸を強くし
力足を踏み、町はずれまで送りし人々の影を見かえり勝ちに明神の森まで来りしが、この....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
家じゃ。余人の入るべきところでないと思え。」 「なんの、おのれ……。」 市松は
力足を踏んで駈け寄ろうとすると、五体は眼に見えない糸につながれたようで、あとへも....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
のか。
メフィストフェレス
下へ降りようとなさい。
力足を踏んで、段々降りて行くのです。
(ファウスト足踏して降り行く。)
鍵が....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
。通常の者なら蹌けて倒れるところでございますが、小三郎は柔術も剣術も名人な人ゆえ
力足を踏止めて、懐中より一節切を抜出し、仙太郎の利腕をモロにグッと落しますと、痛....