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力餅
「力餅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
力餅の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
されつゝある京畿を見るのが苦痛である。
義仲寺
三井寺で弁慶の
力餅を食って、湖上の風光を眺める。何と云っても琵琶湖は好い。
「彼が叡山です。彼....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
火に燻《く》べておいた餅を片手で摘《つま》み上げ、 「碓氷峠の名物、碓氷の貞光の
力餅というのがこれなんでございます」 得意げに餅を焼いて、二人にすすめ、 「何....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
権現の前の石段を一息に走せ下ったところは、碓氷《うすい》の貞光《さだみつ》の
力餅です。 「先生はどうしたい、先生は――」 そのまるい眼をクルクルとして、力....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
けて、 「順に申さんと余り唐突でございますで――一体かようでございます。 峠で
力餅を売りました、三四軒茶屋|旅籠のございました、あの広場な、……俗に猿ヶ|馬場....
「美しい村」より 著者:堀辰雄
ていた。それからまた小鳥の巣《す》のある場所を私に教えてくれたりした。彼等は峠で
力餅《ちからもち》などを売っている家の子供たちであった。大きい方の子は十一二で、....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
最初はなんだか角で突かれそうで怖かったが、別段な事もなく峠へ達した。峠の茶屋では
力餅というを売っている、私等の一行もそれを喰って力を得た。浅間山の麓をめぐる時は....
「農村」より 著者:宮本百合子
と云いは云ったが、菊太をけなすでも祖母に味方するでもなく気のない顔をして、飯坂の
力餅をもじゃもじゃの髯の中へ投げ込んで、やがて「お寝み」と云って帰って仕舞った。....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
と、又、呟いて、戻りかけた。
「今日も、お暑うござります」
義観の姿を見た、
力餅屋の亭主が、丁寧に挨拶をした。
「暑いなあ」
茶店の中にいた若い僧侶が、立....
「旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
犬蓼の花くふ馬や茶の煙 店さきの柿の実つゝく烏かな 名物ありやと問えば
力餅というものなりとて大きなる餅の焼きたるを二ッ三ッ盆に盛り来る。 山姥の....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ー少し猶予があれば片瀬へ寄って竜《たつ》の口饅頭《くちまんじゅう》を買って鎌倉で
力餅《ちからもち》を買って、浦賀へ廻って日本一の水飴を買って、金沢で藻《も》ズク....