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加
「加〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
加の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
夫が、したたか兵衛の小手を打った。綱利は甚太夫を賞するために、五十|石《こく》の
加増を命じた。兵衛は蚯蚓腫《みみずばれ》になった腕を撫《な》でながら、悄々《すご....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
い給うおん主《あるじ》」も、その頃は一層この国の宗徒《しゅうと》に、あらたかな御
加護《おんかご》を
加えられたらしい。長崎《ながさき》あたりの村々には、時々日の暮....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
んもく》に関《かかわ》るらしい。だから保吉もこのお嬢さんに「しかし」と云う条件を
加えるのである。――念のためにもう一度繰り返すと、顔は美人と云うほどではない。し....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
じ》にしても、快いに相違ない。ただ一人|内蔵助《くらのすけ》だけは、僅に額へ手を
加えたまま、つまらなそうな顔をして、黙っている。――藤左衛門の話は、彼の心の満足....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
凡々たることは半三郎の風采《ふうさい》の通りである。もう一つ次手《ついで》につけ
加えれば、半三郎の家庭生活の通りである。
半三郎は二年前にある令嬢と結婚した。....
「運」より 著者:芥川竜之介
の、やれ五条の橋普請《はしぶしん》が出来たのと云っている中《うち》に、幸い、年の
加減《かげん》か、この婆さんが、そろそろ居睡《いねむ》りをはじめました。一つは娘....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
に、隣にいる露柴《ろさい》へ話しかけた。が、露柴はうんとか、ええとか、好《い》い
加減な返事しかしてくれなかった。のみならず彼も中《あ》てられたのか、電燈の光に背....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
一 支那の上海の或町です。昼でも薄暗い或家の二階に、人相の悪い印度人の婆さんが一人、商人らしい一人の亜米利
加人と何か頻に話し合っていました。 「実は今度もお婆さんに、占いを頼みに来たのだ....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
書かない事にした。序ながら菊池が新思潮の同人の中では最も善い父で且夫たる事をつけ
加えて置く。....
「狂女」より 著者:秋田滋
が自分にたいして投げてよこした最高の侮蔑だと考えて、憤然とした。そして、こうつけ
加えた。 「いいかね、明日になっても、もし寝床から降りんようじゃったら――」 ....
「墓」より 著者:秋田滋
持、――ああしたものでもありませんでした。何と申しましょうか、それは、ちょうど湯
加減のよい浴槽のなかにでも浸っているような、こころよい、しみじみとした幸福感であ....
「初雪」より 著者:秋田滋
しかし、そう云ってしまうと彼女は何だか怖ろしい気がしたので、周章ててこう附け
加えた。 「それに――あたし、すこし寒いんですの」 寒いと聞くと、良人はぐッと....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
り。四方を眺むれば橋の袂に焼くもろこしの匂い、煎豆の音、氷屋の呼声かえッて熱さを
加え、立売の西瓜日を視るの想あり。半ば渡りて立止り、欄干に倚りて眺むれば、両岸の....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
切り、実験や器械の図をも入れ、索引を附して四冊とし、主人のリボーに献ずる由を書き
加えた。 この筆記を始めとして、ファラデーが後になって聴いたデビーの講義の筆記....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
けていたところでは、彼らは用心していつでも帆をちぢめ、航海者の守り、聖ニコラスに
加護をねがいながら、横断したものだ。そこの東側の岸にくいこんでいる広い入江の奥に....