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加俸
「加俸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
加俸の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
、勉強する閑《ひま》はありません。気をつかうのでつかれます。月給六十五円、それと
加俸五割で計九十七円五十銭の給金です。金というものの正体不明で相手に出来ないので....
「ふもれすく」より 著者:辻潤
幾年か暮らしている間に、僕の青春は乾涸びかけてしまった。二十三や四でもう先の年功
加俸だのなにかの計算をして暮らしているような馬鹿の仲間入りをしていたら、人間もた....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
の気焔がそろそろ出始めた。 大島さんがこれに相槌をうった。各小学校の評判や年功
加俸の話などが出る。郡視学の融通のきかない失策談が一座を笑わせた。けれど清三にと....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
、抽斎は躋寿館の講師たる故を以て、年に五人扶持を給せられることになった。今の勤務
加俸の如きものである。二十九日に更に躋寿館医書彫刻|手伝を仰附けられた。今度校刻....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
があったら、あなたはどうします。きっと私を斬る気でしょう。」と妙な理窟を言って、
加俸を断った。慾の無い人である。給料があまったら、それを近所の貧乏な人たちに全部....
「天馬」より 著者:金史良
、内地から誰か芸術家でも来ると玄竜にひけをとらぬ程の熱情で授業さえ休んで出掛け、
加俸の分だけを惜しいともせずに方々引張って酒を飲ませながら、事毎《ことごと》につ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
年だけの退職手当の増加もある筈の処、今の計算で之を貰うのでは何のことはない、年功
加俸を踏み倒されるようなものだ。(而も噂によると、今渡すのではなくていつか退職す....
「穴」より 著者:黒島伝治
いる。院長の軍医正が、兵卒に貯金をすることを命じたのだ。 俸給が、その時、戦時
加俸がついてなんでも、一カ月五円六十銭だった。兵卒はそれだけの金で一カ月の身ざん....