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劣
「劣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
劣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
く》」だった! のみならず信輔自身も亦|嘘《うそ》に嘘を重ねることは必しも父母に
劣らなかった。それは一月五十銭の小遣いを一銭でも余計に貰った上、何よりも彼の餓《....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
鍬《くわ》をとるより早く、いざさらば土百姓の腕を見せんとぞ息まきける。
「いずれ
劣らぬ曲者《くせもの》ゆえ、しばく(シの誤か)は必死に打ち合いけるが、……
「平....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
つ書いてない。
自分はあなたの八犬伝といい、巡島記といい、あんな長たらしい、拙
劣な読本を根気よく読んであげたが、あなたは私のたった六冊物の読本に眼を通すのさえ....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
》の目一《めひと》つの神だ、兄きたちがお前に礼をしたそうだから、己も嗅げや飛べに
劣らないような、立派な犬をくれてやろう。」と言ったと思うと、もう口笛の声が森中に....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
の袿《うちぎ》を召した御姫様の清らかさは、おさおさあの赫夜姫《かぐやひめ》にも御
劣りになりはしますまい。
その内に御酒機嫌《ごしゅきげん》の若殿様が、ふと御姫....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ぐんぜい》を御沈めになりました。この国の霊の力強い事は、埃及《エジプト》の軍勢に
劣りますまい。どうか古《いにしえ》の予言者のように、私もこの霊との戦に、………」....
「河童」より 著者:芥川竜之介
むに》河童を追いつづけました。
河童もまた足の早いことは決して猿《さる》などに
劣りません。僕は夢中になって追いかける間《あいだ》に何度もその姿を見失おうとしま....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ません。」
「さようさ。それも高田群兵衛《たかたぐんべえ》などになると、畜生より
劣っていますて。」
忠左衛門は、眉をあげて、賛同を求めるように、堀部弥兵衛を見....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
つ》とから猿に利益を占められたのを忌々《いまいま》しがっただけではないか? 優勝
劣敗の世の中にこう云う私憤を洩《も》らすとすれば、愚者にあらずんば狂者である。―....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
せながら、その巌石へ飛びかかったと思うと、咄嗟《とっさ》の間に抱え上げて、彼にも
劣らず楽々と肩よりも高くかざして見せた。
それはこの二人の腕力が、ほかの力自慢....
「少年」より 著者:芥川竜之介
や、むしろ可愛い中にも智慧《ちえ》の光りの遍照《へんしょう》した、幼いマリアにも
劣らぬ顔である。保吉はいつか彼自身の微笑しているのを発見した。
「きょうはあなた....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
んでいたと云う。しかし二十世紀の日本も尊王の精神に富んでいることは当時の仏蘭西に
劣らなそうである。まことに、――欣幸《きんこう》の至りに堪えない。
創作....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
り忘れてしまった。赤木は、これも二三杯の酒で赤くなって、へええ、聞けば聞くほど愚
劣だねと、大にその作者を罵倒していた。 かえりに、女中が妙な行燈に火を入れて、....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
とにフランスの海岸に近づくと、熱心に南方を眺め、岸に着いては労働者を見て、文明の
劣れる国だと驚いた。 それから税関で驚いたりした。 パリではルーブルを見て、....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
に、恥い乍らも誇をひそめて、眼を細くし乍ら、長いことにおいては又久作さんと負けず
劣らずの馬面で共に有名な、チョビ髭の尖った頤との一対の対面は世にも見事であったろ....