劣る[語句情報] »
劣る
「劣る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
劣るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
う言う知識のない政治家である。若《も》し夫《そ》れ識見を論ずれば必ずしも政治家に
劣るものではない。且《かつ》又利害を超越した情熱に富んでいることは常に政治家より....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
いは美しいが、おまえにゃ九目《せいもく》だ。婿もりっぱな男だが、あの巡査にゃ一段
劣る。もしこれがおまえと巡査とであってみろ。さぞ目の覚《さ》むることだろう。なあ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
道子 二十九 夫の所好で白粉は濃いが、色は淡い。淡しとて、容色の
劣る意味ではない。秋の花は春のと違って、艶を競い、美を誇る心が無いから、日向より....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
ケットへチョコレート等をねじこんでおくべきだ。そういう仁義に欠ける者は、猫畜生に
劣る」 犬畜生というべきところを猫畜生といったのを勘考すると、烏啼天駆は袋猫々....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
へ、チョコレートか何かをねじこんでおくべきだ。そういう仁義に欠ける者は猫畜生にも
劣る”――というのがありますがな、猫畜生なる言葉は適切ではないが、その趣旨は悪く....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
であり、値の張るものを持って行く。その傍に、別の大作の画があっても、それが幾段も
劣るものだと見分けて、手をつけないのだった。だから怪盗はこのルウベンスの名作に必....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
あったが、非常に低かった。換気もよろしくない。監獄の防空室にくらべると、たいへん
劣る。 「おい、立ち停らんで、もっと奥へはいってくれ」 「そう押しても、駄目だよ....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
ると信じていましたから。文壇にその頃幅をきかせている若い人達にくらべてもけっして
劣る処はないと信じていましたから。私は少しも遠慮をする必要はなかったのです。しか....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ませ呼び活けたる、技芸の鍛錬積りたれば、これをかの江戸なる家元の達人と較べて何か
劣るべき。 あわれ手品師と約成りて、一座と別れんとしたりし時、扇子もて来よ、小....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ないのです。人間の修行もなかなか辛くはあろうが、竜神の修行とて、それにまさるとも
劣るものではありませぬ。現世には現世の執着があり、霊界には霊界の苦労があります。....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
ぬ人達に比べてみると、いかにも忌わしい愧ずべき者ではないか。おそらく虫ケラが猿に
劣るよりももっと甚だしい。 易牙が彼の子供を蒸して桀紂に食わせたのはずっと昔の....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
朝が秘蔵の名馬|生食を懇望したがていよく断られた。そしてそのかわりに生食には少し
劣るが、やはり稀代の逸物である磨墨という名馬を与えられた。源太はいつたんは失望し....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
市の三分の一に当たると同時に、家作、道路すべての設備が、その割合に応じて同市より
劣る。ただリマの特色としては、年中雨なく、春夏秋の三期は晴天、冬期は曇天にして、....
「県歌 信濃の国」より 著者:浅井洌
穿つ隧道二十六 夢にも越る汽車の道 みち一筋に学びなば 昔の人にや
劣るべき 古来山河の秀でたる 国は偉人のある習い....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ねばならない。恐れ戦き、遅疑、躊躇逡巡し、消極的となり感激を失うならば自由主義に
劣る結果となる。 社会が全体主義へ革新せらるる秋、軍隊また大いに反省すべきもの....