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劣敗
「劣敗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
劣敗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
つ》とから猿に利益を占められたのを忌々《いまいま》しがっただけではないか? 優勝
劣敗の世の中にこう云う私憤を洩《も》らすとすれば、愚者にあらずんば狂者である。―....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
えて三《み》つ巴《ともえ》を描いた一種の関係が、それぎり発展しないで、そのうちの
劣敗者に当る僕が、あたかも運命の先途《せんど》を予知したごとき態度で、中途から渦....
「弓町より」より 著者:石川啄木
、自己および自己の生活を厳粛《げんしゅく》なる理性の判断から回避している卑怯者、
劣敗者の心を筆にし口にしてわずかに慰めている臆病者、暇ある時に玩具《おもちゃ》を....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
らずが東京中に拡がって、とても女子供や老人と構ってはいられない。生存競争とか優勝
劣敗とか、適者生存とかいう学問上の言葉を、一番手っ取り早く説明するのは電車の昇降....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
となすところに係る、しかしてこの三種族の間に法律上の階級を固くせざるは、実に優勝
劣敗の天則に任じて個人的発達を自由にするゆえんなり。個人的自由に反対して世人がつ....
「黴」より 著者:徳田秋声
ち動いていた。無事にこの一ト夜が経過するかどうかが気遣われた。稚い時分から、始終
劣敗の地位に虐げられて来た、すべての点に不完全の自分の生立ちが、まざまざと胸に浮....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ゝ逃げて行く。竹ぎれを取って戻ると、玉蜀黍の畑に見えなくなった了うた。
優勝
劣敗は天理である。弱肉強食は自然である。宇宙は生命のとりやりである。然し強いもの....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
まった、と後悔ほぞを噛む思いに眠れず転輾している有様なのだから、偉いどころか、最
劣敗者とでもいうようなところだ。先日も、ある年少の友人に向って言った事だが、君は....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
ち既に市から掃出されたか、或は早晩掃出さるべき運命を持ってるものである。其都市の
劣敗者――というのが悪るければ弱者――が毎日電車に乗って市の重大なる財源の供給者....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が無意味を意味することを悟りかけている。さりとて、競争の中止は、まず中止した者に
劣敗の名が来《きた》る怖れから、かれらは無意味と悟り、愚劣と知りながら、その無制....
「厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
銘々のとるべきコースや位置が割り当てられる。競技の進行するに従って自然に優勝者と
劣敗者の二つの群が出来てくる。 優者の進歩の速度は始めには目ざましいように早い....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
けついで、優れたものが生存し、祖先の短所を受けついで、劣った者が滅んで行く。優勝
劣敗が断え間なく行われて、段々民族が進歩発達し、以て今日に至ったのであります。し....
「特殊部落の言語」より 著者:喜田貞吉
戸の様に諸国人の多く入り込む所には、自然と一種の合の子言葉が出来る。自然淘汰優勝
劣敗の原則がここにも行われて、適者優者が生存して、ここに江戸言葉というものが出来....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
いは合意的に売られた子弟、その他誘拐掠奪等から生ずるもので、要するに生存競争上の
劣敗者、社会の落伍者ともいうべきものが賤民となったのであった。したがって事情がこ....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
では求められません。なんとなれば、数において非常に違ったものの対立は、いつか優勝
劣敗の破綻を来たす虞れがあるからです。真の水平運動とは、すべての差別を撤廃せしめ....