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「努める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

努めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
養女のことではあり、自分達は職業的に来ているのだから、無理な骨折りを避けて、娘が努めるときは媚《こ》びを差控え、娘の手が緩むと、またサービスする。みち子にはそれ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
だった。日光と雲との明暗にいろどられた雪の重なりには、熱愛をもって見きわめようと努める人々にのみ説き明かされる貴いなぞが潜めてあった。君は一つのなぞを解き得たと....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
と同じく、今日の統制よりも更に多くの自由を許すことにより、戦闘能力の積極的発揮に努めることとなるであろう。即ち自由と統制との総合発展ではなかろうか。 更に最終....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
努力せねばならぬ。 積極的対策としては、飛行機増産により、敵機を侵入させぬよう努める事が肝要。 (昨夜あたりは、いつになく味方夜間戦闘機が相当数出て、上空を警....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
表わす――道教は浮世をかかるものとあきらめて、この憂き世の中にも美を見いだそうと努める――禅道は道教の教えを強調している――精進静慮することによって自性了解の極....
食魔」より 著者:岡本かの子
。彼女はいつもびっくりした愁い顔で「はいはい」といい、中腰駈足でその用を足そうと努める。自分の卑屈な役割は一度も顧ることなしに、また次の申付けをおどおどしながら....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
髪の鬢と髱の間へ突込んで、ごしごし掻きながら、しとやかな夫人を取り戻す心の沈静に努める様子だったが、額の小鬢には疳の筋がぴくりぴくり動いた。小鼻の皮肉な皺は窪ま....
雛妓」より 著者:岡本かの子
に詣で、一人の弟と一人の妹の墓にも花と香花をわけた。 その弟は、学校を出て船に努めるようになり、乗船中、海の色の恍惚に牽かれて、海の底に趨った。 その妹は、....
転機」より 著者:伊藤野枝
ればならなくなったのだ。 「曲りなりにも、とにかく眼前の自分の生活の安穏のために努めるか。遙かな未来の夢想を信じて『奴隷の勉強』をも、『乞食の名誉』をも甘受する....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
体的にも遊び廻るほど愈々冴えて来る若さを一層強く示嗾して新吉をあおりたてることに努める必要があると思った。 ――どう※ すっかり平民的になって。」 ジャネット....
獄中消息」より 著者:大杉栄
やる考えでいる。また彼としてはこの際、自ら進んで他の弟妹等の世話のやけないように努めるのがその務めだと思う。これらのことは渡辺弁護士をでも通じて、彼に理解させて....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
の言葉を言った時にちらりと皮肉な様子を口元に見せたがすぐその影は消えて再び親切に努める態度に立戻った。 ――それに引きかえ私達の国の人間を御覧なさい。児どもでも....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
いよいよ拷問を行うぞという威嚇的の警告をあたえ、なるべくは素直に自白させるように努めるのであるが、それでも本人があくまでも屈伏しない場合には、係り役人は高声にか....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
のに何等かのショックを与えることの上に人間との交渉を保って行こうと馬翁の無意識が努めるらしい。馬翁が凡人普通に交っているとき、いかにも悲しく退屈そうな顔をして居....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
も、せいぜい患者に汗を出させて、汗と同時に身体の中の余分な熱を体外へ流し出そうと努める発汗剤や、高熱のため、方々の器官に故障を起させないようにと遠まわしの薬(例....