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劫
「劫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
劫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
花《こうげ》を供えられる。かくてはやがて命終《めいしゅう》の期《ご》に臨んで、永
劫《えいごう》消えぬ地獄の火に焼かれ給うに相違ない。予はその事を思う度に、阿鼻大....
「竜」より 著者:芥川竜之介
らぬ。さりながらあだ面倒な趣向などを凝らすのも、予のような怠けものには、何より億
劫千万《おっくうせんばん》じゃ。ついては今日から往来のその方どもに、今は昔の物語....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
うなさるのでございますか。」
「太刀打《たちうち》をしようと思うのだ。おれは女を
劫《おびやか》して、盗人を働いたなどとは云われたくない。」
女は顔にかかる髪を....
「或る女」より 著者:有島武郎
するほかなかった。始めて口をきく幾人もの男の前で、とっかは物をいうのがさすがに億
劫《おっくう》だった。興録は事務長の意向を読んで取ると、分別《ふんべつ》ぶった顔....
「或る女」より 著者:有島武郎
んの事は前から伺っていたんですが、わたしは初めてのお方にお会いするのがなんだか億
劫《おっくう》な質《たち》なもので二つ前の日曜日までとうとうお手紙も上げないでい....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
ほど、私の心の底までぐざと刮《えぐ》り通す瞬間はない。私はその時、ぎょっとして無
劫《むごう》の世界を眼前に見る。
世の中の人は私の述懐を馬鹿々々しいと思うに違....
「星座」より 著者:有島武郎
く茫然《ぼうぜん》としていた。明治三十三年五月四日の午前十一時、――その時間は永
劫《えいごう》の前にもなければ永
劫の後にもない――が現われながら消えていく……園....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
れ合ったどうしが、いったん別れたが最後、同じこの地球の上に呼吸しながら、未来|永
劫またと邂逅わない……それはなんという不思議な、さびしい、恐ろしい事だ。人とは言....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
い取ることは出来ない。これこそは私の存在が所有する唯一つの所有だ。 恐るべき永
劫が私の周囲にはある。永
劫は恐ろしい。或る時には氷のように冷やかな、凝然としてよ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
て、宇宙が虚無から成立したことを説明しようと試みたものらしい。彼は数学的の点は永
劫の昔から存在しているという意味のことをしばしば言っているが、しかしこの点につい....
「橋」より 著者:池谷信三郎
自然だった。自分の身に今、これだけの気持の変化が起っているのに天体が昨日と同じ永
劫の運行を続け、人生がまた同じ歩みを歩んで行くことが、なぜか彼女にとって、ひどく....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
音楽も、結局荒野の風の谺か、沙漠の流砂の響きとしか聞こえなかった。戦車は走り、永
劫の都の建設者や協力者の群れは傲然として巷を行き、歌は唄われ、噴水や女は玉のごと....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に移ることに致しましょう。修行場の変更などと申しますと、現世式に考えれば、随分億
劫な、何やらどさくさした、うるさい仕事のように思われましょうが、こちらの世界の引....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
によりて、初めてその怒りを解き、お気に入りの少数者のみを天国に導き入れて、未来永
劫、自己に対する讃美歌を唄わせて、満足の意を表している神ではないか! そしてその....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
とは無いのだから。 六月三十日―― 殺すことは法則である。なぜなら、自然は永
劫の若さを愛するがためである。自然はその無意識な、あらゆる行いによって「早く、早....