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「劫初〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

劫初の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
ち》で、出かけた杭が敲《たた》きのめされるが、この辺の山は海抜いずれも一万有尺、劫初《ごうしょ》の昔から間断なく、高圧力を加えられても、大不畏《だいふい》の天柱....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
ったかを。 我が北海道は、じつに、我々日本人のために開かれた自由の国土である。劫初《ごうしょ》以来人の足跡つかぬ白雲落日の山、千古斧入らぬ蓊鬱《おううつ》の大....
錯覚自我説」より 著者:辻潤
的として欲しないものを目的としない。かれが目的を立てる時は必ずやすでにかれは大|劫初《ごうしょ》からそれを目的とせねばならぬ様に運命づけられている。かれの目的と....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
はないと言うので、私はふと聞き耳を立てた。嘉門次は穂高山の主だから、別物として、劫初以来人類の脚が、未だ触れたこともない岩石と、人間の呼吸が、まだ通ったことのな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るものを持つが故に、召し上げられたのでございます……仏があの人の手を借りて、私の劫初《ごうしょ》以来の罪業《ざいごう》を幾分なりとも軽くしてやろうと思召《おぼし....
死者の書」より 著者:折口信夫
哀なむすこよ。 だが、おれには、そんな事などは、何でもない。おれの名が伝らない。劫初から末代まで、此世に出ては消える、天の下の青人草と一列に、おれは、此世に、影....
リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
、その中には日出写生のいい文章は幾つかあるであろう。山上の美しい日の出は、いわば劫初の気持であり、開運の徴でもある。それに較べると、現に連れ添うている、我執をも....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
執著の業には因がある。その業因は彼の未生以前に遡る。目を遣れば遣るほど計り知れぬ劫初にきざしているといってもなお及ばない。生は限りなく連続する。鶴見は、今そこに....
地上」より 著者:島田清次郎
のない、口惜しい淋しさが滲み出て来る。それは堪えられない淋しさだった。人類生誕の劫初より縹渺と湧いて来るような淋しさだった。平一郎はその淋しさを噛みしめながら、....
ある自殺者の手記」より 著者:小酒井不木
しろ呪われた運命であるといってよい。 二人の男が一人の女を恋する。それはもう、劫初以来、人類の世界に、無数に繰返された悲劇である。そうして恋の敗北者が底知れぬ....