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労い
「労い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
労いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
家がだんだん絶えてしまいました。火災にも一度|罹りまして、その再建にもずいぶん苦
労いたしました。左様の次第で、寺の維持にも困難して居ります折り柄、役僧の延光から....
「道標」より 著者:宮本百合子
素子が外国人を男性で話したことには心づかなかった表情で、
「おことわりするのに苦
労いたしますわ」
と云った。
「ちゃんとした家庭では、一緒に住む人の選びかたがむ....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
忘れられん。あの声は今日まで自分の臓腑の腐り止めになっている。貧乏というものは辛
労いもので、妻子が飢え死によるのを見ると気に入らん奴の世話にでもなりとうなるもの....
「黄金風景」より 著者:太宰治
から男、女、女、その末のが八つでことし小学校にあがりました。もう一安心。お慶も苦
労いたしました。なんというか、まあ、お宅のような大家にあがって行儀見習いした者は....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
活の――時間の――有限性を思い労う正当な倫理的権利を見出さない。それは全く贅沢な
労いである。併しもし一旦仕事を持つならば時間の有限性は一日も忘れることの出来ない....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
も玉も下磨きこそ大事、やがては一拭いかけまするだけの事。先月の勤めに一方ならず苦
労いたし、外を歩行くも、から脛を踏んでとぼつきます……と申すが、早や三十年近う過....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ざって、旅の話にくらした次第でござるが、拙者とても、若い時分から、旅では相当に苦
労いたした身――今は、こうして、かりそめの関守に納まっているようなものの、心は常....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
をいただき、一日都合よく行かなかった間はいろいろ心配――単純にそうでもないが、心
労いたしました。二日には、あなたがそれまで二度お目にかかっていた時よりずっと馴れ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
工合です。
例年、私は花時分が閉口です。今年はややましな方かしら。神経が実に疲
労いたしますね、今頃は。
きのう、あなたが、いかにも悠々して気分も悪くなさそう....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
そのようなことが起ったのは何故かということ。それを突きとめるために昨日まで若干苦
労いたしましたが、御安心なされませ。甚吉の行方不明に疑念を起している者は、この世....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
ない侍であった。主人田沼主殿頭なのである。「私はな、日々登城して、国家のために苦
労いたし、一刻として安き時はござらぬ。ただ退朝して我が家へ帰った時、邸の長廊下を....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
し、何分にも、名人として、自他ともに許されているほどのお方でございますから、気苦
労いたしながらも、楽々と働けまして、大変に楽な後見ではございましたものの、ああし....
「春」より 著者:岡本かの子
れたのだ。 お民特有のべそをかくような笑いを残して加奈子の京子に対する気苦労を
労いながら、勝手の方へ立って行ったあとで、加奈子は此の間中から幾度も繰り返したよ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ヴァイスは嬉しく心に納めました。私たちは、淋しい、睦じい暮らし方をし、愛と赦しと
労いとを博く、あまねく、隣人に及ぼしてゆく気ですから悦んで下さい。 私たちはど....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
せられんことの口惜しく、たださえおもしろからぬこのごろよけいな魔がさして下らぬ心
労いを、馬鹿馬鹿しき清吉めが挙動のためにせねばならぬ苦々しさにますます心|平穏な....