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労賃
「労賃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
労賃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「読書法」より 著者:戸坂潤
化しようと云う考えから出る。そうして此の案の裏には、どうせ余っている労力だから、
労賃は安くて好い、低賃金だから低コストで生産されると云う考えがひそむのである。」....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
、うっかりしていると、その後の諸雑費や雑用に消えてしまいつつあった。家中のものの
労賃は見積ってなかったが、傭《やと》い入れた棟梁《とうりょう》はもとより、その折....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
るものはない。すでに公娼制度の支持一つにも夫は決して無効ではなかった。また単に低
労賃や労働力拘置のための有力な観念的支持であるだけでもない。広く失業問題そのもの....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
に、少数のかの私有財産の所有者に向かって、自分の労働力を売り渡し、夫の価格として
労賃を受け取るという、交換過程である。之は生きた労働力を商品と見立てた処の商品交....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
の国防費に関する何か意味のある観念が得られるのだろうかという点である。物価も違い
労賃もまるで違う国の円価単位の国防費のただの比較が、一体日本の現在の国防費が大き....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
。女中養成所を開いて教調する計画を立て始める。繊維工業資本家は、従来にない劣悪な
労賃によって、女工の大量募集に着手することが出来る。職業紹介所は、こうした周旋に....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
を頂戴するだけでは、一日せいぜい三十軒、五六円の商売にしかならない。これに一日の
労賃は二円くらいにつくことになるから、どうしても二三割高く売らねばならぬ。労力を....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
を妨げるに、足るという場合には、一般的に起ることであろう1)。しかし、同一の貨幣
労賃を受取る労働者数の増加は、必然的にその競争によって、穀物の貨幣価格を騰貴せし....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
極めて繁栄し、そして早婚の習慣と著しい人口増加とを生じたが、しかしその結果として
労賃は極度に低廉となり、そして人口の四分の一は、衣食の道を慈善に求めるに至った。....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
う場合を除けば、彼らは移住するものではない、と安んじてよかろう。移出の結果として
労賃が騰貴するという不平は、一切の不平のうち最も不合理なものであり、決して耳をか....
「福沢諭吉」より 著者:服部之総
ばしんせんざ》に「慶応義塾」が産声《うぶごえ》をあげた。動乱最中とて地所も材料も
労賃も馬鹿安にあがったとはいえ、出費はことごとく印税を蓄積した私財をもって成った....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
休ましていただきましょう」 「アアそれがいい。そら、ここまで送ってきてくれたご苦
労賃ですよ、仲よく拾って遊んでおいで――」 帯の間からつかみだした金銀を舞妓た....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
、「右は僕の村の農家が冬の副業に筵《むしろ》を織ったり縄を綯《な》ったりして働く
労賃が、幾らになるかを調べて見たのである。それによると一人の男が、一日八時間から....
「山の人生」より 著者:柳田国男
葉木の皮ようの物を綴って着ている。歯は真白だが口の香が甚だ臭いとまでいっている。
労賃は握り飯だとある。材木一本に一個二本に二個。持って見て二本一度に担げると思え....
「一九三七年を送る日本」より 著者:戸坂潤
単に物的資源の総動員に限らず、労働力その他に対する動員も絶対力を発揮するわけで、
労賃は法定されるし、労働者の賃労働は国民の義務として絶対化されるわけだ。労働争議....