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勇断
「勇断〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勇断の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
にならないほど微弱で、しかも性質がまるで違っているから、この坊さんのようにえらい
勇断をする必要はない。もう少し奮発して気張《きば》る事さえ覚えれば、当っても外《....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
娼妓芸妓ノ所業ヲ為サシムル者ハ其実際上則チ人身売買ニ付従前今後可及厳重ノ所置事。
勇断改法家なる江藤新平氏の面目は右の法令に躍如として現われている。 六一 フ....
「三面一体の生活へ」より 著者:与謝野晶子
ア氏の大演説が異邦の我々さえも襟を正さしめたような、時代と国情とに痛切な、合理的
勇断的な教育上の改革意見を聴く事が出来ません。世界の尊敬に価するような教育上の対....
「激動の中を行く」より 著者:与謝野晶子
大学の教授、政府の大官、財界の有力者より工場の女子労働者に至るまで、多くは非常な
勇断の下に家族制度の精神に背いて、かつて一度その郷里の家庭から離れ去った人たちで....
「婦人指導者への抗議」より 著者:与謝野晶子
婦人運動には、この厳粛なる批難の前に撤廃するか、もしくは開眼を施すか、いずれかの
勇断を要するものが多いように思います。 * もしそれらの先輩婦人....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 さりながら、ピグミーの長所はしつっこいというところにある。ピグミーに向って
勇断と果決と、威厳と雅量を望むことは注文が無理だけれども、小細工と、しつっこいこ....
「正宗谷崎両氏の批評に答う」より 著者:永井荷風
しっぺい》と老耄《ろうもう》とはかえって人生の苦を救う方便だと思っている。自殺の
勇断なき者を救う道はこの二者より外はない。老と病とは人生に倦《う》みつかれた卑怯....
「三国志」より 著者:吉川英治
の将士のほかは、みな城を出て、玄徳の軍をこの際徹底的に殲滅せよ」 張任は、こう
勇断を下して、やがて一発の烽火をあいずに、銅鑼、鼓の震動、喊声の潮、一時に天地を....
「三国志」より 著者:吉川英治
の恨みを胸からそそぐ日はないでしょう」 「然なり、然なり」 と玄徳はこの一瞬に
勇断を奮って、ついに張飛へ直接大命を降してしまったのである。 「直ちに、そちは軍....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
縮にござりまするが、いまは鎌倉の存亡にもかかわる大事と見えますれば、なにとぞ、ご
勇断のもとに、さいごのおさしずを下したまわりたく」 と、さしせまった地方情勢の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
力がなさすぎる。やっと一方の公卿大将たるのが関のやまの人で、大局の動向を察したり
勇断をもつ人ではない。 在京の鎮守府将軍北畠顕家の名もかれの胸にうかんでいた。....