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「動じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

動じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旅愁」より 著者:横光利一
いささかも弛まなかった。しかし、文士の亭主はどういうものか妻の不貞に関して少しも動じる色がなかった。彼は理想派のトロツキストが必ず近い将来に於てスターリン派の行....
丹下左膳」より 著者:林不忘
上という呼びかけは、熱湯に水を注ぐよう、まことにお座のさめた言葉ですが、お蓮様は動じるけしきもなく、 「わたしの言うことをきけば、いいことばかりですよ、源さま」....
桂馬の幻想」より 著者:坂口安吾
の心得がおありですね。ふだんそれを用いているのですか」 こうひやかしても悠々と動じる色もなく、うなずいて、 「先祖代々の商売だから小さい時から仕込まれてね。三....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
らなかった。ところが私は戦争で気がたっていたせいか易々これらをなしとげ、まったく動じる色がなかったので、採鉱課長が公式の席において「坂口氏は当炭坑が坑夫として採....
」より 著者:カフカフランツ
には考えられないような自制のあとでついにベルに手をかけ、ほかの手段ではどうしても動じることのないKを追い払うために助けを呼ぶなどということは、それこそこれまでに....
三国志」より 著者:吉川英治
、曹操はまず、はやりたつ諸将を制してから、くわっと、張飛をねめつけた。 張飛は動じる態もなかった。 かえって、全身に焔々の闘志を燃やし、炬の如き眼を爛と射向....
私本太平記」より 著者:吉川英治
い矢などの二、三は突き刺さったのではあるまいか。 もとよりお覚悟のこと、それに動じる後醍醐ではなかった。むしろ、これから世のあらゆるものに出会う一歩の門の物試....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
もいわれはしまいかと、大いにてれたり、うろたえるところであろうに、検校はいっこう動じる容子もなく「え? ……何? ……」と振向いてはまた、悠然と弾き語りをつづけ....