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「動乱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

動乱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
若い葉子の一挙一動を、絶えず興味深くじっと見守るように見えた。 かの奇怪な心の動乱の一夜を過ごすと、その翌日から葉子はまたふだんのとおりに、いかにも足もとがあ....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
は、お弓のいうことを、唯々《いい》としてきく市九郎ではあったが、今彼の心は激しい動乱の中にあって、お弓の言葉などは耳に入らないほど、考え込んでいたのである。 「....
性急な思想」より 著者:石川啄木
一 最近数年間の文壇及び思想界の動乱は、それにたずさわった多くの人々の心を、著るしく性急《せっかち》にした。意地....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は祈る。 神を知ったと思っていた私は、神を知ったと思っていたことを知った。私の動乱はそこから芽生えはじめた。 或る人は私を偽善者ではないかと疑った。どうして....
島原の乱」より 著者:菊池寛
しとの報を受けたからであった。 板倉重昌憤死之事 江戸慕府へ九州動乱の急を、大阪城代が報じたのは寛永十四年十一月十日の事である。大老酒井忠勝、老....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
に進みつつあることを感じる。そして自分は自分がその青春の、そのようにも烈しかった動乱の中にあって、自己の影を見失わないで、本道からはずれないでくることができたこ....
少年と海」より 著者:加能作次郎
、舟は絶えず、小さな動揺を続けました。 突然、恰もこれから攻めよせて来る海の大動乱を知らせる先触れのよう、一きわ、きわだった大きな波が、二三|畝どこからともな....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
彼は内藤家の家老であった。その立派な家柄の子が、こんな大事を惹き起こし、こんな動乱を醸すとは、当人ばかりの罪ではない。連なる父母も同罪である。すなわち監督不行....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
ために作ったので、それまでは軒下の格子などはなかったものだ。 世の中がこんなに動乱を極めている明治元年の頃は、寄席などに行くものがない。ぺいぺい役者や、落語家....
染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
く死んでしまうのである。 時世は慶応元年で、尊王|攘夷、佐幕開港、日本の国家は動乱の極、江戸市中などは物情騒然、辻切、押借、放火、強盗、等、々、々といったよう....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
る。 全画面はかくして、左から右へ、うしろから前へ、絶間なく揺すりどよめいて、動乱の極に達している。それがメヅウサの頭にもつれ絡まる蛇をおもわせる。 これが....
剣侠」より 著者:国枝史郎
傷付いた手足のその武士が、水品陣十郎だということが見てとられた。 嘉門の領地の動乱から、命からがら遁れ出て、ようやくここまで歩いて来たところ、手足の負傷、心の....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
幸福たらんとして不幸となり、楽しからんとして憂いを呼び、平和たらんとして、凶事動乱、潮のように湧き起ります。(と片手を高く差し上げ)、この諸々の喜怒哀楽が、霧....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
めて、新に、能率請負の入札を各課に命令した。 サア、大変だ。各課は上を下への大動乱だ。総辞職を主張するものもあれば、全吏員のゼネラル・ストライキを宣伝して回る....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ガラガラと、放り落される、と、その井堰型の粉砕機の中での、たちまちの雑音囂音、大動乱である。 何とすばらしい短時分の粉砕、まさにこれ、霹靂的の粉砕なりである。....