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「動向〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

動向の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
片信」より 著者:有島武郎
異なった二階級間の反目的意識に止まらず、かかる傾向を生じた根柢に、各階級に特異な動向が働いているのを認め、そしてその動向は永年にわたる生活と習慣とが馴致《じゅん....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
と思う。何等の意味に於てであれ、外界の刺戟に対して自己をよりよくして行こうという動向は道徳とはいえないだろうか。クルーソーが彼の為めに難破船まで什器食料を求めに....
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
ー的に変化して來たこと前述の通りであるが、これらは現實にかくのごとき世界的歴史的動向を示すものである。かくして政治はますます道義的宗教的色彩を濃厚にし、氣魄ある....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
述すべき動静なし。 四、黒死館既往変死事件について(略) 五、既往一年以来の動向 一、昨年三月四日 四人の異国人の帰化入籍。 一、同 三月十日 算哲は....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
私らは進化論のように時間的に空間的に区別せられたる人間と人間との間に生の根本動向から愛を導き出すことはとうてい不可能である。ここから出発するならば対人関係は....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
それに乗ってしまったわけである。現在の僕の生活に於ける絶望と退屈とが、まず大体の動向を決定してしまったというわけで、向うさんのいう条件をいちいち、衡器に掛けて決....
東京要塞」より 著者:海野十三
もって聞える某大国であった。 日中戦争が始まって間もなく、既にもうこの某大国の動向が、国民の注目を惹いたものであるが、その当時はどっちかというと、中国の方に相....
入梅」より 著者:久坂葉子
来て主人に何かつげ口したのですわ、ええ、そうです」 私はあれから一週間、作衛の動向に、うんと注意していた。そして遠方へは行かさなかった筈である。歩いて行けると....
決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
術策を事にするヤカラは人の術策を疑い怖れるもので、春日山にとどまる二万の留守兵の動向は、彼に不断の迷いと不安を与えるに相違ないからである。 余の選定せる戦場は....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
自分の好みで一方を禁止するかも知れないが、そうしないで、どっちが繁昌し、彼女らの動向が自然にどッちへ吸収されるか、実験してみるのも面白いだろうと思う。 街娼と....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
した話はない。 選挙が国民の義務であるためには、その選挙の結果が多少でも政治の動向に影響力を持ち、ひいては国民の福祉に関連するという事実がなくてはならぬ。そん....
秋草の顆」より 著者:佐左木俊郎
どは、私はひどく平静を失うのだった。併し、よく考えて見ると、私達一家の者の性格の動向は、積極的な妻と貞子との方へ動かずに、消極的な私の性格に向けて動いているので....
近作鉢の会に一言」より 著者:北大路魯山人
して、微力ではありますが、古陶作家の心構えを第一に窺いそれらを賞翫する古人今日の動向を察し自己の信念と器学に於て相合する点を作陶の心として、十年一日の如く作陶し....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
るためのものであるにほかならない。そうした意味で、この鳥瞰もまた、実は現代短歌の動向をはっきりと知りたく思う心持に結びついているのである。さてしかし、とにかくに....
書を愛して書を持たず」より 著者:小川未明
幾十年の間も、その光輝を失わぬものは少ないけれど、これに反し、集団の行動は、その動向を知るだけでも時代が分るためです。故にその時代を見ようと思えば、当時の雑誌こ....