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動揺
「動揺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
動揺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
後の馬車に乗っているのは重吉や彼の従弟《いとこ》だった。彼の従弟の大学生は馬車の
動揺を気にしながら、重吉と余り話もせずに小型の本に読み耽《ふけ》っていた。それは....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
き違おうとした。
ちょうどその刹那《せつな》だった。彼は突然お嬢さんの目に何か
動揺に似たものを感じた。同時にまたほとんど体中《からだじゅう》にお時儀をしたい衝....
「路上」より 著者:芥川竜之介
まだ全くさっきの驚きから恢復していない事を意識した。彼の心はいつになく、不思議な
動揺を感じていた。それは歓喜とも苦痛とも弁別《べんべつ》し難い性質のものだった。....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
前を点検した。
すると、まだその点検がすまない中に、老紳士はつと立上って、車の
動揺に抵抗しながら、大股《おおまた》に本間さんの前へ歩みよった。そうしてそのテエ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
象も以前に比べれば、余程快活になって参りました。所が、昨年の秋からまた精神に何か
動揺が起ったらしく、この頃では何かと異常な言動を発して、私を窘《くるし》める事も....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
あった。――と云うのは、天井の両側に行儀よく並んでいる吊皮《つりかわ》が、電車の
動揺するのにつれて、皆|振子《ふりこ》のように揺れていますが、新蔵の前の吊皮だけ....
「或る女」より 著者:有島武郎
を通り越していた。世故《せこ》に慣れきって、落ち付き払った中年の婦人が、心の底の
動揺に刺激されてたくらみ出すと見える残虐な譎計《わるだくみ》は、年若い二人の急所....
「星座」より 著者:有島武郎
罪はない。もとよりおぬいさんでもない。あの座敷にいた間じゅう、始終あらぬ方にのみ
動揺していた自分の心がさせた仕業《しわざ》ではなかったか。自分自身を鞭《むちう》....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
身をかばった。人々は騒ぎ立って艪を構えようとひしめいた。けれども無二無三な船足の
動揺には打ち勝てなかった。帆の自由である限りは金輪際船を顛覆させないだけの自信を....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
わたった或るものとして私にせまる。又或る時は眼もくらむばかりかがやかしい、瞬間も
動揺流転をやめぬ或るものとして私にせまる。私はそのものの隅か、中央かに落された点....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
口にうずくまるフランシスに眼をつけると、きっと四方からその跡を埋めに流れ寄る泥の
動揺は身の毛をよだてた。クララは何もかも忘れて三人を救うために泥の中に片足を入れ....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
るように、ずんずん目の前へ展開して来る。顔に当る薄暮の風、足の下に躍るトロッコの
動揺、――良平は殆ど有頂天になった。 しかしトロッコは二三分の後、もうもとの終....
「初雪」より 著者:秋田滋
頻りに咳をした。彼女はそのたびに、自分の精根を涸らしてしまう、込み上げて来るその
動揺をおさえようとするためなのであろう。透き通るような白い指をその脣に押しあてた....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
はもとの新潟県下第一の豪傑穂垂周吉にあらずして、唖然たる癡呆の一書生なり。馬車の
動揺に精神を撹乱し、単純なる空気を呼吸したる肺臓は砂煙りに混じたる汚濁|臭穢の空....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
の動きはあるいは警職法反対の日本国民のたたかいや平和を要求する国民の勢力によって
動揺しつつあるが、しかし、これが今日、日中関係の不幸な原因を作っている根本になっ....