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「動物性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

動物性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
母の胎《はら》を出るとそのままなんの訓練も受けずに育ち上がったようなぶしつけな、動物性の勝った、どんな事をして来たのか、どんな事をするのかわからないようなたかが....
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
ろう。ジーキル博士は善で道徳であり、之に反してその二重人格の片割れたるハイド氏は動物性や野性を帯びているので悪であり道徳でない、と云った調子である。この常識は人....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
力も甚円満に発達していると云うのだから大したものである。もっともこれは、あとで「動物性も大分あります。」とか何か云われたので、結局帳消しになってしまったらしい。....
食慾」より 著者:豊島与志雄
ょう。理想から現実へ……それは立派な言葉でしょうけれど、また、美しい夢を追払って動物性へ逆行することではありませんでしょうか。 ――「お前は自分の感情を自分の....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
な心で人生をながめ得る者にとっては、社会の胸の中に、皮相な文明の極度の精練と深い動物性との間に、常に存在する矛盾は、大なる興味を含んでるものである。化石や化石さ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。そのなまぬるい泥濘《でいねい》の浴場では、人間の精力、荒々しい生活力、原始的な動物性、その信仰や意志や熱情や義務の花などは、溶解してしまっていた。そういうゼラ....
風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
ただ、子供とはあべこべに、徹頭徹尾色っぽく、肉慾的だ。最も女であった。その淫奔な動物性が、娘の野性と共通しているだけだった。娘は大柄であるのに、母親はひどく小柄....
精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
動物的な当然さはないものである。精神病者が最も多く闘っているものは、むしろ自らの動物性に対してであり、僕が小平を精神異状ではなく、むしろ平凡であり、単に犯罪者で....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
うものは算えきれない。キノコ、山の芋、ワラビ、ゼンマイ、木の実等々。しかし、彼は動物性食物をより多く好む。蛇は特に好物の一つである。蝉、トンボ、ゲンゴロウ(水虫....
岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
とみえる。十数匹の蝗を竹串にさして、塩をなすり、焚火に培って食べたところ、長い間動物性の蛋白質に飢えていた際であったから、素敵においしかった。 私は、昨年の三....
」より 著者:犬田卯
た。一人前の仕事が出来ない、それほど歯がゆいことはなかったのである。彼女は浩平の動物性を憎悪した。「丁満なことは何一つ出来ねえくせ助親父。」 浩平にとっては、....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
その上にごく成分に富んで居る麦焦粉を日に一度ずつどっさり喰って居ります。もっとも動物性の食物はただバタばかりでありますが、蕎麦のできる時分にはその新芽を酸乳でま....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
、単に職業上の誤解から、その仲間にされたものとの事を疑わぬ。けだしもと青染には、動物性の染料を交えておったと言われていたので、これはいずれ染織史研究家の教えを乞....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
、矢嶋先生や宗先生の愛の教導、ほがらかな学校、文化化された家庭……あの子の目から動物性の光がいつしか消えました。水素の実験は科学する喜びを教え、計測の実習は数学....
予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
っと笑って、 「それは本物とはちがいます。でも相当強いですよ。ご承知でしょうが、動物性の香料はみな鋭くて長もちがします。エッセンスをテーブルスプーンに一杯ほど、....