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勝り
「勝り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勝りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
咽喉の中で消えて仕舞う、総《すべ》ての様子総ての振舞が何と無く世の常の女より立ち
勝り、世に云う水際が離れて居るから、余は我にもあらで躊躇して、唯|纔《わずか》に....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
には支倉の姿はなかった。箪笥の前に小柄な女が佇んでいた。年の頃は二十七、八で、男
勝りを思わせるような顔は蒼醒めて、眼は訴えるように潤んでいた。 「奥さん」 一....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
こういう疑いが可成濃厚や、ちゅう事を子爵家に報告しました。 すると、子爵家に男
勝りの乳母がいましてな。おせいちゅうんだすが、この人が表向き和明ちゅう子の乳母に....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
は常に哲学を思い、御身を慕えり。じつにわれらの間の友情はかの熱愛せる男女の恋にも
勝りていかに纏綿として離れがたく、純乎として清きよ。夜半夢破れて枕に通う春雨の音....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
》を奉じたのである。二人は真に政宗が頼み切った老臣で、小十郎も剛勇だが智略分別が
勝り、藤五郎も智略分別に逞《たくま》しいが勇武がそれよりも勝って居たらしい。 ....
「連環記」より 著者:幸田露伴
にとて勧進し集めたる物どもを御房にまいらすべし、一人を菩薩に勧むれば、堂寺造るに
勝りたる功徳である、と云って、弟子共をつかわして、材木とらんとて勧進し集めたる物....
「母への追慕」より 著者:上村松園
なければ、私と私の姉の二児を抱いて独立してゆけなかったからである。 母の男
勝りの気性は、多分に私のうちにも移っていた。 私もまた、世の荒浪と闘って独立し....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
まれ切り込まれた。 「まだ来る気か!」と女ながらも、田宮流の小太刀を使っては、男
勝りの手練の女丈夫、しかし獲物は懐剣であった、相手の脇差は受けられない、そこで飛....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
揺らめいて、土間の上の男女の二つの影を物の怪のように顫わしている。気象の勝った男
勝りのお粂が何ゆえにそのように弱々しそうに咽び泣きなどをはじめたのであろう? 磊....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
郎は芸能と云う点からだけでは、自分が七三郎に微塵も劣らないばかりでなく、寧ろ右際
勝りであることを十分に信じた。従って、今まで足り満ちていた藤十郎の心に不安な空虚....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
卯の花の雪をも欺きぬ。……類なき艶色、前の日七尾の海の渡船にて見参らせし女性にも
勝りて)……と云って……(さるにても、この若き女房、心|頑に、情冷く、言わむ方な....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
であったから椿岳は二軒|懸持の旦那で頤を撫でていたが、淡島屋の妻たるおくみは男|
勝りの利かぬ気であったから椿岳の放縦気随に慊らないで自然段々と疎々しくなり、勢い....
「わが母を語る」より 著者:上村松園
竹を割ったような性格 私の母は、一口にいうと男
勝りな、しっかり者でしたな。私は母の二十六歳の時生まれ、四つ年上の姉が一人だけあ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
の仇、城を二十重に囲まれたれば、責殺されんそれまでも、家は出でずに守るという。男
勝りの心に恥じて、強いてとも言い難く、さればとてこのままにては得三の手に死ぬばか....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
ては、富においても、智能においても、またその古来の文化においても、一般民に比して
勝りこそすれ、決して劣ることのないユダヤ人が、今もってどうしても真に打ち解けた交....