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「勝地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

勝地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
真菰や葦が若々しき長き輪郭を池に作っている。平坦な北上総にはとにかく遊ぶに足るの勝地である。鴨は真中ほどから南の方、人のゆかれぬ岡の陰に集まって何か聞きわけのつ....
写生紀行」より 著者:寺田寅彦
一週のうちのある一日をそこに過ごしたいと思ったりした。これまでいろいろのいわゆる勝地に建っている別荘などを見ても、自分の気持ちにしっくりはまるようなものはこれと....
十二支考」より 著者:南方熊楠
開けたと出《い》づ。『元亨釈書《げんこうしゃくしょ》』に藤原|伊勢人《いせひと》勝地を得て観音を安置せんと、貴船神《きぶねじん》の夢告により白馬に鞍置き童を乗せ....
勝地」より 著者:黒島伝治
そこは、南に富士山を背負い、北に湖水をひかえた名勝地帯だった。海抜、二千六百尺。湖の中に島があった。 見物客が、ドライブしてや....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
よかりそうなものであったが、それは出なかったらしい。琵琶湖が独立した日本無双の形勝地である資格から、一転して、単に運河の一停船所に過ぎない地点とされてしまった後....
十二支考」より 著者:南方熊楠
《だいほうしゃくきょう》』七八に、王舎城の迦蘭陀竹園《からんだちくおん》は無双の勝地で、一切の毒虫なく、もし毒虫がこの園に入らば毒心がなくなる。衆生この園に入ら....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
である、嶺上から一里五町で北又川に架した橋がある、此処を石滝といって銀山平第一の勝地である、元来滝とは奔湍の意であって瀑布の義がない、ここは奔湍であって瀑布があ....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
山脈を貫く処に神居古潭あり。大雪山の腰を貫く処、即ち層雲峡也。神居古潭は北海道の勝地として世に知られたるが、深さの非凡なる外には格別の風致もなし。層雲峡はいまだ....
上野」より 著者:永井荷風
人にして不忍池畔に居を卜したものの名を挙げて下の如くに言っている。「古ヨリ都下ノ勝地ヲ言フ者必先ヅ指ヲ小西湖ニ屈スルハ其山水ノ観アルヲ以テナリ。服部南郭、屋代輪....
夏の町」より 著者:永井荷風
は次第に変って来てポオル・ド・コックの後《あと》には画家の一団体が盛に巴里郊外の勝地を跋渉《ばっしょう》し始めた。今日では誰も知っている彼《あ》の Meudon....
日和下駄」より 著者:永井荷風
ぬかと危《あやぶ》むのである。老樹鬱蒼として生茂《おいしげ》る山王《さんのう》の勝地《しょうち》は、その翠緑《すいりょく》を反映せしむべき麓の溜池あって初めて完....
向嶋」より 著者:永井荷風
る。明治三十一年の頃には向島の地はなお全く幽雅の趣を失わず、依然として都人観花の勝地となされていた。それより三年の後明治三十四年平出鏗二郎《ひらでこうじろう》氏....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
く海原遠く俯瞰して、夏知らずの大避暑地を現出するでしょう。たしかに、東洋一の大景勝地ホテルの名を恥ずかしめはしないでしょう。父親ならずとも私だって、金さえあれば....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
頭に笑うありて、実に仙境の趣をなす。石径を攀ずること三十分間にして、天然隧道なる勝地に達す。孤山の中腹にあり、海抜四百尺ありという。その幅十間、高さ二十間、深さ....
法然行伝」より 著者:中里介山
みて一方ならぬ奇瑞を感得している。 法然の住居の東の岸の上に、襾《おお》われた勝地がある。或人がこれを相伝して自分の墓と決めておいたが、法然が京都へ帰った時、....