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勝手
「勝手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勝手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
。」
「きくまでもないわ。」
「できまいな」
「おお、できない。」
「それが手前
勝手じゃ。よいか。沙金《しゃきん》はおばばのつれ子じゃよ。が、わしの子ではない。....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ある座敷だった。私の世話を焼いてくれる別荘番の夫婦者は、格別用のない限り、いつも
勝手に下っていたから、このうす暗い八畳の間《ま》は大抵森閑として人気《ひとけ》が....
「河童」より 著者:芥川竜之介
。
「しかし両親のつごうばかり考えているのはおかしいですからね。どうもあまり手前
勝手ですからね。」
その代わりに我々人間から見れば、実際また河童《かっぱ》のお....
「彼」より 著者:芥川竜之介
った。僕は番茶の渋《しぶ》のついた五郎八茶碗《ごろはちぢゃわん》を手にしたまま、
勝手口の外を塞《ふさ》いだ煉瓦塀《れんがべい》の苔《こけ》を眺めていた。同時にま....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
の人間は、みんな焼くよ。就中《なかんずく》おれなんぞは、――」
そこへ婆さんが
勝手から、あつらえ物の蒲焼《かばやき》を運んで来た。
その晩牧野は久しぶりに、....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
て、後《あと》の祭だ。」
「今度は、私《わし》も拝領と出かけよう。」
「へん、御
勝手《ごかって》になせえましだ。」
河内山は、ちょいと煙管の目方をひいて見て、....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
い声に叱りつけた。
「お前も悪魔に見入られたのか? 天主のおん教を捨てたければ、
勝手にお前だけ捨てるが好《い》い。おれは一人でも焼け死んで見せるぞ。」
「いえ、....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
とすれば、――この場合はいささか疑問かも知れない。が、まず猫ほどではないにしろ、
勝手の違う気だけは起ったはずである。
ところが三月の二十何日か、生暖《なまあた....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
いるばかりである。彼の復讐の挙も、彼の同志も、最後にまた彼自身も、多分このまま、
勝手な賞讃の声と共に、後代まで伝えられる事であろう。――こう云う不快な事実と向い....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
云うのはさっき申した、兎唇《みつくち》の童《わらべ》の名前なのです。
「どれでも
勝手に箸《はし》をつけてくれい。粥《かゆ》ばかり啜《すす》っていさえすれば、得脱....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
目付土屋長太郎が、御徒目付《おかちめつけ》、火の番などを召し連れて、番所番所から
勝手まで、根気よく刃傷《にんじょう》の相手を探して歩いたが、どうしても、その「上....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
何とか、大に金のありそうな事を云ってすましている。それから、籐椅子に尻を据えて、
勝手な気焔をあげていると、奥さんが三つ指で挨拶に出て来られたのには、少からず恐縮....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
は低くとも、天上に燃える炎の声だ。それがお前にはわからないのか。わからなければ、
勝手にするが好い。おれは唯お前に尋ねるのだ。すぐにこの女の子を送り返すか、それと....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
一度もない。唯、この弟たるべき自分が、時々向うの好意にもたれかゝって、あるまじき
勝手な熱を吹く事もあるが、それさえ自分に云わせると、兄貴らしい気がすればこそであ....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
一言一行の末にも及びたりき。例えば恒藤は寮雨をせず。寮雨とは夜間寄宿舎の窓より、
勝手に小便を垂れ流す事なり。僕は時と場合とに応じ、寮雨位辞するものに非ず。僕問う....