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「勝手が違う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

勝手が違うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二人の友」より 著者:森鴎外
は出来ない。それで好いかと、私は云った。 F君は私の詞《ことば》を聞いて、少し勝手が違うように、予期に反したように感じたらしかったが、とにかく同意した。多分君....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
物の形が変り、妙なところに真暗な広々した空地がポッカリ明いていたりなどして、全く勝手が違う。この形勢では尾行者たちに勝利が行ってしまいそうだ。残るは、これからす....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
に、通禧はおりおり連れの方へ目をやったが、醍醐大納言も、宇和島少将も、共にすこし勝手が違うというふうで、主人の公使が馳走ぶりに勧める仏国産の白いチーズも、わずか....
不審庵」より 著者:太宰治
ら四、五年前に二円で買って来たものだ。そんなものを褒める奴があるか。」 どうも勝手が違う。けれども私は、あくまでも「茶道読本」で教えられた正しい作法を守ろうと....
青年」より 著者:森鴎外
そうな事を言う妹の、弱そうで底力のあるのに、自然と同情が集まって来る。見物は少し勝手が違うのに気が附く。対話には退屈しながら、期待の情に制せられて、息を屏めて聞....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、これによってあえて自信が崩れたわけではないが、これは今まで見た油絵とは少しく勝手が違う……なるほど、素人目《しろうとめ》で見て、これをこのままあの観音へ納額....
黒百合」より 著者:泉鏡花
いでもあるまいが、何だか取難かったよ、夜店をぶらついてる奴等の簪を抜くたあなぜか勝手が違うんだ。でもとうとう遣ッつけた、可い心持だった、それから、」 と言って....
高原」より 著者:寺田寅彦
供達が迎いに来ていた。プラットフォームに下り立ったときに何となく去年とはあたりの勝手が違うような気がしたがどこがどうちがったかということがすぐとは気が付かなかっ....
桜の森の満開の下」より 著者:坂口安吾
てきました。 山賊は女の亭主を殺す時から、どうも変だと思っていました。いつもと勝手が違うのです。どこということは分らぬけれども、変てこで、けれども彼の心は物に....
博物誌」より 著者:岸田国士
ュックスなのだろうか? 違う。確かに別ものだ。 カストオルは、いつもの相棒と勝手が違うので、顎を動かすのをやめる。するとその時、自分の眼のそばに、まるで見覚....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
ななよなよしたからだつきで鼻がくっつくほどひた押しに押して来る。 「へえ、あの」勝手が違うので文次もまごつかざるを得ない。 「通りすがりに貸家札を見ましたので、....
郷愁」より 著者:織田作之助
でから書き出しの文章を考えるという新吉のやり方がやはりこれだった。ところが、今は勝手が違うのだ。詰み上った図型が全然泛んで来ない。書き出しの文章は案外すらすらと....
浮世絵画家の肉筆」より 著者:上村松園
い気持に受けとれるのでした。 ですから、錦絵を見た眼で肉筆を見ると、とんと何か勝手が違うような気持にならされて、「まあ、これが春信かいなア、歌麿かいなア」と眺....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
敷にも土間にも一杯に詰まっていた。これまで見馴れていた踊りのお浚いなどとは大いに勝手が違うので、わたしは眼を丸くして一心に舞台をみつめていたが、何分にもその狂言....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
絶対の光であります。それほどの光ですから、私たちの安易な考え慣れた光明とはかなり勝手が違うのであります。従って、そんなに在ることは判然していながら、判然在るよう....