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「勝気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

勝気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藪の中」より 著者:芥川竜之介
か? 娘の名は真砂《まさご》、年は十九歳でございます。これは男にも劣らぬくらい、勝気の女でございますが、まだ一度も武弘のほかには、男を持った事はございません。顔....
富士」より 著者:岡本かの子
糧を、山の窟《いわや》に蓄えた。姉の確りしたところで、いつも気を引立てられている勝気にも性の弱い弟は、この秘密で冒険な行旅を、姉の敢行力の庇《かげ》に在って、共....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
の物をこれは何これはどうしてと、一々聞いて見る。おとよさんは十九だというけれど、勝気な女だからどう見たって二十前の女とは見えない。女としてはからだがたくまし過ぎ....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
、ミチミの身体が全く純潔を保たれていたという意外なる事実であった。ミチミの信念と勝気は十二分に証明せられた。 もう一つは、彼女の犯行がいつも一定の条件のもとに....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
の女はどうなる幕です。」 「おいの、……や、紛れて声を掛けなんだじゃで、お稲は殊勝気に舞台じゃった。――雨に濡りょうに……折角の御見物じゃ、幕切れだけ、ものを見....
黒百合」より 著者:泉鏡花
同様。親が居ないと侮って、ちょいと小遣でもある徒は、除物にして苛めるのを、太腹の勝気でものともせず、愚図々々いうと、まわらぬ舌で、自分が仰向いて見るほどの兄哥に....
母への追慕」より 著者:上村松園
うか」 「もう一ぺん養子をもろうたら――」 いろいろと親切に忠告をするのだが、勝気な母は、 「私が働けば、親娘三人どうにかやってゆけます」 そう言って決然と....
朝顔日記の深雪と淀君」より 著者:上村松園
に思われますが、私は朝顔日記の深雪と淀君が好きです。内気で淑かな娘らしい深雪と、勝気で男優りの淀君とは、女としてまるきり正反対の性質ですけれど、私にはこの二人の....
母と娘」より 著者:岡本かの子
。それ等の家の内で No.1 の奥さんはスルイヤと言って赤毛で赭ら顔で、小肥りの勝気な女。彼女に二年前に女学校を卒業したアグネスと言う十九歳の一人娘がある。アグ....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
が好過ぎたのよ。私こそ済まなかったのよ。でも私、幾度も云うようだけど上べはこんな勝気で陽気な女だけど、どうかすると、まるで堅い人間の壁の様になる時があるのよ。そ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
んで、柳屋のも便にするものはなし、この頃は御新造様が煩っていらっしゃるなり、あの勝気なのが、めっきり痩せなすった。 力になろうというのが私と軍鶏だから困っちま....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
も、一視同仁に手の中に丸め込む客扱いと、商売上の繰廻しをグングン押切って奮闘する勝気が必要なんだが、幸い人生の荒波の底を潜って活きた学問をして来た女がある」と、....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
煙は美しい彼女の胸から顔へ、うっすりと立ちのぼっていた。 私はその空々しい、殊勝気な行いを侮蔑の目で眺めた。 S夫人はいつもの優しい態度で、静かに伯爵に云っ....
情鬼」より 著者:大倉燁子
とでございますわ。今はどこにどうしていますか、無論内地ではないでしょう。でもあの勝気な女のことでございますから、小田切さん御夫婦の仲のいい評判なんかが耳に入った....
鷺娘」より 著者:大倉燁子
の結婚を承知したといいます」 「それを百合子が白状したのか?」 「どうして、あの勝気な、虚栄心の強い女が自分の弱点を曝露するもんですか。彼女は鷺娘を踊ることにな....