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勢力家
「勢力家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勢力家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
。が、思兼尊《おもいかねのみこと》と手力雄尊《たぢからおのみこと》と、この二人の
勢力家だけは、容易に賛同の意を示さなかった。手力雄尊は素戔嗚の罪を憎みながらも、....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
極の破壊主義を思いつくようでは、国家に取りて何たる不祥事ぞ。 近ごろ英国高名の
勢力家で、しばしば日本学会でわが公使、大使に対し聖上の御為《おんため》に乾盃を上....
「行人」より 著者:夏目漱石
》は絶える間もなかった。もっとも始終《しじゅう》顔を出す人に、それほど有名な人も
勢力家も見えなかった。その時の客は貴族院の議員が一人と、ある会社の監査役が一人と....
「明暗」より 著者:夏目漱石
した。彼女は自分の夫が、平生から一方《ひとかた》ならぬ恩顧《おんこ》を受けている
勢力家の妻君として、今その人の前に、能《あた》う限《かぎ》りの愛嬌《あいきょう》....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
恩顧を蒙《こうむ》る事は覚束《おぼつか》ないと諦《あき》らめている。いくら先方が
勢力家でも、財産家でも、自分が世話になる見込のないと思い切った人の利害には極めて....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
らいの頭のはげた爺とが何かせっせと書いていた。助役らしい鬚の生えた中年者と土地の
勢力家らしい肥った百姓とがしきりに何か笑いながら話していたが、おりおり煙管をトン....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
なったのである。それも偽らぬ心であったと同時に、追々と界隈《かいわい》の人気や、
勢力家の好悪、その人たちの考えなども伝えられ、うっかり税庫の棟梁をひき受けた自分....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
《あいきょう》で損ばかりしておるのでございます! もう何年も前のこと、ある一人の
勢力家に向かって『あなたの奥さんはずいぶんくすぐったがりの御婦人ですな』と言った....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
とはされなかった。エジプトやボヘミアの一部の下層社会は、上層の便宜にのみ供され、
勢力家の意のままになっていた。下層民衆の子弟を教育することに対する嫌悪《けんお》....
「黄色な顔」より 著者:ドイルアーサー・コナン
やってたんだね。――それからこの男は琥珀の所を噛みつぶしている。それは体格のいい
勢力家がよくやるし、また歯の丈夫な人がよくやることだよ。――オット、奴さんたしか....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
りの四人に射殺された。その後で駅逓馬車の客は無事安穏に掠奪された。あの素晴らしい
勢力家のロンドン市長も、ターナム・グリーン★で一人だけの追剥に立ち止って所持品を....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
る、梟雄であって権臣であって、大目附であろうと若年寄であろうと、はばかったほどの
勢力家であった。で、そのような行列などが、彼の所業などをさえぎろうものなら、有無....
「法然行伝」より 著者:中里介山
り処へ廻されて来たものである。時国の方は自分の家柄は父の系図はよし、母方は土着の
勢力家であるし、上役とはいえ、明石の源内武者の摂度に従わず面会にも行かなかったか....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
にいたこともあると云って、松岡の父は政界の大立物だの、表面にはたたないが隠れたる
勢力家の一人だの、と、しきりに褒めそやすので、少し気味悪るくなりましたが、それで....
「それから」より 著者:夏目漱石
なるべく愚図々々していた。 母の客に行っていた所は、その遠縁にあたる高木という
勢力家であったので、大変都合が好かった。と云うのは、その頃は世の中の動き掛けた当....