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勢力範囲
「勢力範囲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勢力範囲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
によって、その同情を引っ込めさせる事のできるのも夫人は心得ていた。事務長が自己の
勢力範囲から離れてしまった事も不快の一つだった。こんな事から事務長と葉子との関係....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
を截《き》って、独立自尊の態度で敵を見ているがいい。敵と融合する事もできず、敵の
勢力範囲外に心を持ってく事も出来ず、しかも敵の尻を嗅《か》がなければならないとな....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
。
併し之等の独占形態が出来上っても、資本主義的矛盾が、その独占形態が支配する
勢力範囲内でも、消滅して了うのではない。実際は、この独占過程の進行と自由競争とが....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
なかったわけだね、あの女の肚では、『何だってわたしに征服できる、何もかもわたしの
勢力範囲にあるのだから、もしその気にさえなれば、グルーシェンカだって丸めこんで見....
「物質とエネルギー」より 著者:寺田寅彦
ェルの天才は荷電体エネルギーをその物の内部に認めず、却ってその物体の作用を及ぼす
勢力範囲すなわちいわゆる電場に存するものと考えた。この考えは更に電波の現象によっ....
「私の小説」より 著者:坂口安吾
本物よりも大いにエロな、子路だ、と。つまり猪八戒と子路の合ひの子なので、猪八戒の
勢力範囲が旺勢だから、天竺へ辿りつかずに、あつちの女の子に目尻を下げ、こつちの女....
「決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
ち信玄の進路はおのずから余の背面に迫るのだ。なぜならば、余の背面は全てこれ信玄の
勢力範囲であったからだ。余は背面よりの奇襲を承知の上で、わざと不安定な陣をしいた....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
りをしたものであった。 主人もまた、子飼いの者が実直に勤めて年頃になれば、店の
勢力範囲以外の地を見立ててそこに支店を出してやることは、本店の信用を高むることに....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
なると、電話の注文はもちろんのこと、電車自動車で直ちに配達出来るのだから、本店の
勢力範囲が郊外にまで拡張されて、支店というものの必要もなければ、出る余地もない。....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ゃ?」 「…………」 「土地はお上、ご領主の物、それをなんぞや博徒風情が、自分の
勢力範囲じゃの縄張りじゃのと申し居る」 「…………」 「一体お前たちは、何商売な....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
「廃除一切不平等条約」だのというスローガンがベタベタ書かれてあって少くも蒋介石氏
勢力範囲の南方支那だけは大分国民的自覚を持って来たらしいと感ぜられたことや、そん....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
す。けれども永い間には同様勢力を及ぼしまして、終に東洋はことごとくインドの文化の
勢力範囲になってしまったというふうであります。一番関係のありますのは南の海の方の....
「本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
して認めてもらいたいと云っているのを見ますと、ほぼその頃の日本領と、蝦夷の国との
勢力範囲がわかりましょう。もっともこの暴動は、国司の悪政の結果でありますから、藤....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
像に余りあるが、よく長い期間を維持出来たのは、大和・伊勢・紀伊・河内・和泉がその
勢力範囲であって、大和アルプスを脊椎とした大山岳地帯全体が海洋に三方を取りまかれ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
た。 表日本の空を支配する太平洋の勢力は、此処らあたりを境として、最早日本海の
勢力範囲に侵入することは、絶対に不可能なのであろう。少なくとも今日はそうでなけれ....