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勢家
「勢家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勢家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「芽生」より 著者:島崎藤村
ど背丈の延びた学校通いの姉さん達を始め、五つ六つ位の年頃の娘が、夕方に成ると、多
勢家の周囲《まわり》へ集った。お菊はなかなか用心深くて、庭の樹の下なぞに独《ひと....
「成仙」より 著者:田中貢太郎
。 「黄は、俺をばかにしたから仇だが、それは姑くおいて、村役人は朝廷の官吏で、権
勢家の官吏じゃない。もし争う者があるなら双方を調べるべきだ。それを嗾けられた狗の....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
偵というより、大ぜいの政治探偵の部隊を指揮している人で、ですから、やはり一種の権
勢家なんですね。この人物と、ふとしたきっかけから、僕は好奇心にかられて、話を始め....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
五月一日が近まってきた。 不安な風説がパリーに広まっていた。労働総組合の虚
勢家らが風説の伝播《でんぱ》に手伝っていた。彼らの新聞紙は、重大な日が来ることを....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
ゃし》贅沢《ぜいたく》の用に供せらるるも、実際生計の助けとなる者あらず、以て権門
勢家《けんもんせいか》の令閨《れいけい》となる者を養うべきも、中流以下の家政を取....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
だがまたすぐに坐ってしまった。 「よくある奴だ。珍らしくもない。ふん。金持ちの権
勢家、業突張りの水茶屋養母、その犠牲になる若い娘、その娘の情夫。ちゃんと筋立てが....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
なたに対し、愛情を感じておるらしく、それに主馬之進殿の兄上は、田安家の奥家老で権
勢家、かたがた都合がよいによって、俺の死んだ後は主馬之進殿と、夫婦になって荏原屋....
「土の中からの話」より 著者:坂口安吾
をはかるという風潮が全国一般のことになったから、国有の土地が減少して寺領とか権門
勢家に所属する荘園がふとって、貴族や寺院は富み栄えて貴族時代を現出する。ところが....
「春」より 著者:岡本かの子
いますわ。でも恋しいと思う時、あなたは少しも来たらず、昨夜はなんですか、あんな大
勢家来を連れて来て私の寝間の扉をとんとん叩いて……私、とうとう起きて上げませんで....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
ました頃には、五百|余騎になりましてござりまする。その行動の果敢なる、権門であれ
勢家であれ、路次にて一旦|邂逅しますれば、乗馬を奪い、従者を役夫とし、躊躇すると....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
、砂金その他の豊富なる国産によって豪奢を極め、直接音信を京師に通じて院宮・権門・
勢家に贈賄し、その威はよく国司を圧迫して、国司もこれをいかんともすることが出来ず....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
り彼らは殆ど農奴の境遇にまで堕落してしまった。全国耕地の殆どすべては院宮社寺権門
勢家の荘園となってしまって、彼らはただそれを耕作するの農奴に過ぎなかったのである....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
にほんの僅かな世襲財産を残しただけで死んでいった。そして伯父さんは、あれほどの権
勢家であるにも拘らず、ベエコン兄弟の孤独の訴えにも、近親の申立てにも耳をかさない....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ことに各地における課役規避の偽法師の立場からいえば、身を付近の荘園に托して、権門
勢家の勢力の下に隠れることは、わざわざ遠く叡山や奈良等の諸大寺に走るよりも、いっ....
「濫僧考」より 著者:喜田貞吉
濫悪の僧であり、邪濫の輩であったに相違ない。彼らは実に当時の落伍者であった。権門
勢家の輩が天下の富を私して、公民その生を安んずること能わず、ことに当時の地方官の....