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勤
「勤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
そと立てているばかりだった。………
二
重吉は玄鶴の婿になる前から或銀行へ
勤めていた。従って家に帰って来るのはいつも電灯のともる頃だった。彼はこの数日以来....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
なんでも以前は荒尾但馬守様《あらおたじまのかみさま》のお供押《ともお》しか何かを
勤めたことがあるそうで、お屋敷方の案内に明るいのは、そのせいだそうでございます。....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
た、幾分《いくぶん》か猫背《ねこぜ》の紳士《しんし》である。由来《ゆらい》保吉の
勤めている海軍の学校の教官は時代を超越した紺《こん》サアジ以外に、いかなる背広を....
「彼」より 著者:芥川竜之介
割《むねわ》り長屋《ながや》の一軒だった。主人は近所の工場《こうじょう》か何かへ
勤《つと》めに行った留守《るす》だったと見え、造作《ぞうさく》の悪い家の中には赤....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
た僕等の一人《ひとり》に考えていた。しかし彼は衣食する上にはある英字新聞の記者を
勤《つと》めているのだった。僕はどう云う芸術家も脱却《だっきゃく》出来ない「店《....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》と云う、所謂《いわゆる》散茶女郎《さんちゃじょろう》の一人であった。が、彼女は
勤めを離れて、心から求馬のために尽した。彼も楓のもとへ通っている内だけ、わずかに....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、大抵は微笑を洩《も》らしたまま、酒の燗《かん》などに気をつけていた。
役所の
勤めを抱えていた牧野は、滅多《めった》に泊って行かなかった。枕もとに置いた時計の....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
が三月の二十何日か、生暖《なまあたたか》い曇天の午後のことである。保吉はその日も
勤め先から四時二十分着の上り列車に乗った。何でもかすかな記憶によれば、調べ仕事に....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
一層の奥床しさを感じさせたと見えて、今まで内蔵助の方を向いていた彼は、永年京都|
勤番《きんばん》をつとめていた小野寺十内の方へ向きを換えると、益《ますます》、熱....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
家来《けらい》に知行《ちぎょう》六百|石《こく》の馬廻《うままわ》り役《やく》を
勤める細井三右衛門《ほそいさんえもん》と云う侍《さむらい》は相役|衣笠太兵衛《き....
「死後」より 著者:芥川竜之介
ばかりか、はっきり今の夢を思い出した。夢の中の妻は気の毒にもうまらない役まわりを
勤《つと》めている。Sは実際でもああかも知れない。僕も、――僕は妻に対しては恐し....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
わなければならぬ。事実上ないものの利害得失は勿論問題にはならぬ筈《はず》である。
勤倹尚武
「
勤倹尚武」と言う成語位、無意味を極めているものはない。尚武は国際的....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
う男である。生憎《あいにく》大した男ではない。北京《ペキン》の三菱《みつびし》に
勤めている三十前後の会社員である。半三郎は商科大学を卒業した後《のち》、二月目《....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
。お梅(かの女の名にして今は予が敬愛の妻なり)の苦心、折々|撓まんとする予が心を
勤め励まして今日あるにいたらせたる功績をも叙せざるべからず。愛情のこまやかなるを....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
心ひそかに念じている一縷の望みも日一日と崩れて行くのだった。いまはもう、教会へお
勤めに来る人はひとり残らず知っていた。そうした人たちの教会へ来る時刻から十人十色....