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勤め人
「勤め人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勤め人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
頸《くび》の骨を折るのに了《おわ》るだけであろう。
又
批評家 君は
勤め人の生活しか書けないね?
作家 誰か何でも書けた人がいたかね?
又....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
、「こいつはなかなか面白い、ちょっといい書類だよ。」とか、またはおよそ礼儀正しい
勤め人の間で普通にとりかわされている何かちょっとしたお愛想ひとつ言うでもなく、い....
「みちのく」より 著者:岡本かの子
しながら説明をしてやる。 「これなんだね」 「鉄道馬車」 「これなんだね」 「お
勤め人、洋服を着て鞄《かばん》持って」 四郎はその絵姿をつくづく眺めていたが、....
「新生」より 著者:島崎藤村
兄の焦《あせ》った心を知り、先方《さき》の望み手というは毎月六七十円の収入のある
勤め人であることを知り、その人が徳川時代に名高かったある学者の子孫にあたるという....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
夏になってから困ることが出来た。日盛りに行っては往復がなにぶんにも暑い。ここらは
勤め人が多いので、夕方から夜にかけては湯屋がひどく混雑する。 わたしの家に湯殿....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
てよ」 といって、さらに二倍の距離に逃げてゆくのであった。 二人は停留所で、
勤め人や学生たちに交って、電車を待った。杜はちょくちょくミチミに話しかけたけれど....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
で、さうだらう、小さい女の子でも働いてゐるのに、私ばかりは月給日にでかけるだけの
勤め人で、然し、あいにく、酒をのむところも、面白い遊び場もなくなつたのだから、ヒ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
できいていたが、 「まだ勤めから戻りませんよ」 つめたい返事であった。ちょうど
勤め人の帰宅する時刻であった。 「もうじきお帰りでしょうか」 と、きくと、敏子....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
であるから組合の会合なぞで顔を合わせて知り合った間柄だが、茂手木の方は東京住いの
勤め人であるから初対面だ。しかし一見したとき、ハテ、見た顔だなと思ったのである。....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
しかし私は、はじめて商業に従事した時、このくらい自由なものはないと感じた。これが
勤め人だというと、いくら真面目に働いても、上役の御機嫌にそむくようなことがあれば....
「桜の園」より 著者:神西清
からは、みんな気持が落ちついて、かえって陽気になったくらいだ。……わたしは銀行の
勤め人で、今やいっぱしの財政家だ……黄玉は真ん中へ、さ。そしてリューバ、おまえだ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
生産高は微々たるものらしい。三十五六万も人口があり、おまけに仙台市に住みきれない
勤め人などが周辺の町村に七八万もいるという人口をもちながら、こんなに工場のない都....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ろう。ことに例の三人の行員については何も恐れる必要はなく、彼らはまた銀行の大勢の
勤め人仲間のうちに埋もれてしまい、彼らにはなんらの変化も認められなかった。Kはと....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
行ったかと思うと、何処かで声色使いの拍子木の音が聞えて来たりした。地内の入口では
勤め人らしい洋服姿の男が二、三人何かひそ/\いい合いながら、袖を引いて誘ったり拒....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
そうない商売だろう)だの、でなければ大工だの、仕事師だの、飾り屋だの……たま/\
勤め人があるとみれば、それは小学校の先生、区役所の吏員、吉原の貸座敷の書記さん…....