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勤め口
「勤め口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勤め口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
《き》いたこともなかったし、自分をどう思っているかをも知らなかったが、深川の方に
勤め口が見つかってから、毎朝はやく、詰襟《つめえり》の洋服を着て、鳥打をかぶって....
「女神」より 著者:太宰治
しいです、だから私は女房を連れて満洲に疎開します、満洲は当分最も安全らしいです、
勤め口はいくらでもあるようですし、それにお酒もずいぶんたくさんあるという事です、....
「律子と貞子」より 著者:太宰治
も姉さんに怒られてばっかりいるの、立つ瀬が無いの、あたし職業婦人になるのよ、いい
勤め口を捜して下さいね、あたし達だって徴用令をいただけるの、遠い所へ行きたいな、....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
とえ》の重ね着で、どろどろに汚れているメリンスの羽織と云うていたらくでは、尋常な
勤め口もありよう筈がない。
浅草へ行く。公園のなかで、うどんを一杯ずつ食べて、....
「女給」より 著者:細井和喜蔵
ない。彼女は実に腹立たしかった。 こんな具合でかけずり廻った甲斐もなくその日は
勤め口にありつけなかったが、その翌日石原町のカフェースワンというのへ住み込むこと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しい、出仕の場所の指図は受けないし、時間というのも制限がない、およそ、この神尾の
勤め口としては絶好だろう、今もちょっと口に出たが、板倉周防の仕事をしろというので....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ていたのです。……娘たちのことも話しました……ほかの町で周旋してもらえるとかいう
勤め口のことも話しました……そうしてほとんどすっかり胸のなかを僕にさらけ出して見....
「落合町山川記」より 著者:林芙美子
へまで送金どころか、自分たちの口が時々|干上《ひあが》るのが多くて、私はその日も
勤め口を探して足をつっぱらして帰ったのであった。玄関の三和土《コンクリート》の濡....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。彼女は頑固《がんこ》なほど仕事に熱心だった。クリストフは尋ねた。 ――彼女の
勤め口は楽だったか。 ――楽だった。しかし彼女はよそうと考えていた。 ――な....
「花子の陳述」より 著者:豊島与志雄
うでしたから、わたくしは女学校を卒業しますと、新制高校にあがるのをやめて、どこか
勤め口を探そうかと思いましたが、母が反対しますし、また、母の身になってみれば、わ....
「桜の園」より 著者:神西清
……)可哀そうに、誰が誰が! (包みを元の場所へ投げだす)だからあなた、お願い、
勤め口をさがしてちょうだいよ。これじゃ、どうしようもないわ。 ロパーヒン さがし....
「光は影を」より 著者:岸田国士
まわれること、などである。 が、なににしても、そうおいそれと、彼の註文どおりの
勤め口が待つているわけもなく、そろそろしびれを切らしはじめたところへ、旧友の南条....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
それでもどうやら数箇月は支えられるつもりだったので、そのうちにどこか商館に相当の
勤め口が見つかるだろうという目あてがあった。そういうわけで、そのあいだは無為に過....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
だろうなア)自分は多少でも地位や身分のある仕事をさがして、そのために自分の方には
勤め口が見当らん。そして奥さんの稼ぎで自分の生活もおぎなってもらっておりながら、....
「岐阜提灯」より 著者:田中貢太郎
云うことで一年余り勤めていた会社をしくじり、母の妹の縁づいている家で世話になって
勤め口を捜しているが、折悪しく戦後の不景気に出くわしたので口が見つからないけれど....