勤務先[語句情報] »
勤務先
「勤務先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勤務先の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
て、不倫の関係に陥り、ついに子供まで出来てしまったのでした。 その上相手は私の
勤務先の手当や、子供の貯金まですっかり消費してしまい、終戦となるや、私の復員をお....
「世相」より 著者:織田作之助
のはみ出た頭巾の端には「大阪府南河内郡林田村第十二組、楢橋廉吉(五十四歳)A型、
勤務先大阪府南河内郡林田村林田国民学校」と達筆だが、律義そうなその楷書の字が薄給....
「門」より 著者:夏目漱石
に東京を離れていた。あるものは不在であった。またあるものは多忙のため時を期して、
勤務先で会おうと云った。宗助は日のまだ高くならない七時頃に、昇降器《エレヴェータ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
教えねば勘定が合わぬ」 などと門弟に云い訳をする事もあった。 その後斎田氏は
勤務先の福岡裁判所から久留米に転勤すると、タッタ一人残っている門弟佐藤文次郎氏の....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
りで逢いたい顔に逢ったが、ただ一つ逢えない顔があった。それから暫らくのこと、私の
勤務先は、日本橋の三越デパートメントの裏で、日本銀行と向いあったところだが、その....
「一九二九年一月――二月」より 著者:宮本百合子
ミヤへ戻る頃は一ヵ月半の休養は元もこもなくなって居るであろう。 療養所の医者と
勤務先との間に連絡ないことは、恐るべき金、時間、精力の浪費を来して居る。消耗をい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
る。河西の水草に見切りをつけたから、明日は河東の水草に稼《かせ》ごうとして、その
勤務先の異動を企てているまでです。前の方は少し背が高い。前の背の高いののわかるの....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
えている。 また、吾々が日常通る道筋、例えば自宅から電車停留場まで行く街路や、
勤務先まで行く交通機関や、梯子酒の常習者ならばその飲みまわるコースや、広い家屋な....
「蔵の二階」より 著者:豊島与志雄
り消え失せることもあろうし、自分の映像だと認知されるものだけが残ることもあろう。
勤務先の会社や、自宅で、桂介は硝子に自分の姿を映してみた。鮮明度はさまざまで、全....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
読者は、このロリー氏と幾らか似たような経験を持つであろう。彼の夢に浮ぶのは、彼の
勤務先の銀行と共に、年齢四十五歳の男の物凄く瘠せ衰えた顔。その男との想像上の対話....
「火の扉」より 著者:岸田国士
話ではなく、これでも人間かと思われるような無気味な混乱の数時間であつた。 夫の
勤務先で、同時に宿舎になつている工しようは、八王子から厚木へ通じる電車の沿線で、....
「光は影を」より 著者:岸田国士
つて、再び京野等志がサラリーマンの生活にはいつたのは、それから一週間目であつた。
勤務先としては途中に時間を食われ、帰りは上野に着くと、もうぐつたりするような日が....
「双面獣」より 著者:牧逸馬
少女 Dorothy の父 William Leslie Schneider の
勤務先ビュイック自動車会社の工場は、前に言ったように、ブレント入江《クリイク》か....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
医学博士になったくらいの秀才で、酒も煙草も飲まぬ、いわゆる品行方正の男だったし、
勤務先の阪大病院でもまず相当な給料を貰っていたから、高利貸に金を借りるような生活....
「澪標」より 著者:外村繁
の頭の中に、一つの空席が浮かび上る。現に、この茶の間の妻の座は空いている。勿論、
勤務先の妻の椅子も空である。妻が乗っているはずの汽車の、妻の席はどうなっているか....