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勤続
「勤続〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勤続の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
しません。困るのは、あなたたちだけでしょう。何せ、クビになるんだから。何十年かの
勤続も水泡に帰するんだから。そうして、あなたの妻子が泣くんだから。ところが、こっ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ッチ工場独特の骨壊疽にかかった老人や、歯齦が腐って歯がすっかり抜け落ちてしまった
勤続者や、たびたびの火傷に指がただれ膿んで、なりっぽのように、小さい物をつまみ上....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
くから金兵衛は髪結いの直次を呼んで、年齢相応の髷に結わせた。五十八歳まで年寄役を
勤続して、村の宿役人仲間での年長者と言われる彼も、白い元結で堅く髷の根を締めた時....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
片附くのを待っているわけだ。並々ならぬこの辛抱づよさというものを、自分は十八年の
勤続によって仕入れたのである。 しかしこれは愉快なことではない。自分としては、....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
ームと寸分の変りなく、拍子だけでその中に感情は全くはいっていなかった。その人が、
勤続十何年のために教頭の位置にあり、倫理――公民と呼ぶ時間――を教えるのは全く滑....
「砂糖泥棒」より 著者:黒島伝治
、二三年分の貯金を不有にして出て行った者を既に五六人も見ていた。そして、十三年も
勤続している彼の身の上にもやがてこういうことがやって来るのではないかと、一寸馬鹿....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
うな、学生時代をそんなことで空費したのであるが、あるとき漫才屋さん方に時ならぬ欠
勤続出して、舞台がもてなくなる騒ぎ、そのとき、楽屋へ一人の女漫才嬢が遊びに来合せ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
労苦に酬い、必ず利益を分配すること。 五、老後の心配を少なくするため、十年以上の
勤続者には店費にて保険を付けること。 六、店は毎日同じような仕事の連続であるから....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
置いてやらねばならぬと思う。 それについて、私の方では今年の二月から、十年以上
勤続者には千円、二十年
勤続者には二千円というふうに、生命保険をつけてやることにし....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
れる。 羽場栄太郎という校長さんは痩躯で目の鋭い精神家であった。私の町に二十年
勤続し、筋のいい漢学者であった。この先生は後見出されて広島の中学に栄転したが、そ....
「扉は語らず」より 著者:小舟勝二
一装飾工の惨死! このことに興味を抱いた君が、これからS百貨店へ行って、六年以上
勤続の店員に訊ねることは無駄だ。恐らく、誰もそんな事件に就いては初耳だ、と答える....
「能面の秘密」より 著者:坂口安吾
中さんに伝言して返答をきいてもらうと、たしかに退職手当二百万円やりました。永年の
勤続ですから、と爺さんと同じような返事であった。深夜に窓を叩いて金を渡しても退職....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
の町奉行所へ移した。南の奉行は大岡越前守|忠相で、享保二年以来、十年以上もここに
勤続して名奉行の名誉を頂いている人物であった。 「おそろしいことじゃ。これには死....
「トンカトントンカッタカッタ」より 著者:今野大力
四時半から夜は八時九時までも労働して八十二銭位にしかなっていない。五年目の暮れに
勤続賞与として虱の首縊りする様な反物を一反と五寸四方の紙片と二円貰ったきりだった....
「かもめ」より 著者:神西清
不信心者ですね。第二に――どんな罪がおありですかな? あなたは二十五年、司法省に
勤続された――だけのことでね。 ソーリン (笑う)二十八年…… トレープレフ登場....