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勧む
「勧む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勧むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
かしら》をかたむけた。「お身の言わるる通り、忠通の威勢を以って彼女《かれ》を申し
勧むるに、なんの故障はない筈じゃが、高き木は風に傷めらるるとやらで、この頃の忠通....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
世抜きの聖書は味なき意義なき書となるのである、「我等主の懼るべきを知るが故に人に
勧む」とパウロは言うて居る(哥林多後五の十一)、「懼るべき」とは此場合に於ては確....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
欲き者のみ多かる可く爾すれば夫等の慾に誘われ、終に貧苦に堪え得ずして所天に悪事を
勧むるにも至りし歟あゝ目科の細君が言し所は余の思いしより能く当り藻西の無罪を証拠....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
女の消息は杳として知らないけれども、誰か起って彼女を責めるものがあろうか。両親の
勧むるまゝに前科ある人とは知らで嫁した夫は、一子を儲けると忽ち拘引せられて、忌わ....
「運命」より 著者:幸田露伴
燕王を戴くに意ある者あり。燕に告ぐるに金陵の空虚を以てし、間に乗じて疾進すべしと
勧む。燕王遂に意を決して十二月に至りて北平を出づ。 四年正月、燕の先鋒李遠、徳....
「連環記」より 著者:幸田露伴
、寂心が堂塔造らん料にとて勧進し集めたる物どもを御房にまいらすべし、一人を菩薩に
勧むれば、堂寺造るに勝りたる功徳である、と云って、弟子共をつかわして、材木とらん....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
請えり。しかれども時彦を嫌悪の極、その死の速かならんことを欲する念は、良人に薬を
勧むる時も、その疼痛の局部を擦る隙も、須臾も念頭を去りやらず。甚しいかなその念の....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
の涼しげなるにも、よき人の面影を忘れ得ぬ久米、鮮かに化粧の匂える妓の愛想よく酒を
勧むる暇さえ、「招かれざる客」の歎きをする久米、――そう云う多感多情の久米の愛す....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
、しばらくこの職工となりたまいてはいかに、他の業ならねば少しは面白くも候わん」と
勧むるに、この事は他の業よりは望む所に近ければただちに承知して活版職人となりぬ。....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
て、微笑を禁ずる能わざるものがあった。蛮勇も亦徒労にあらざるを知る。すなわち彼に
勧むるに、米人監督招聘の必要を強調し、撮影所を持たざる日活のゆく途は、大映との合....
「活人形」より 著者:泉鏡花
まあまあ気を落着かしてやるが可い。当家へ入って来たのも、何かの縁であろうからと、
勧むれば、亭主は気の好き男にて、一議も無く承引なし、「向側の行当の部屋は、窓の外....
「西航日録」より 著者:井上円了
人を奨励して、米国内地に永住せしめんと欲すと。余、その説を賛成し、かつ外国行きを
勧むるために、即座に新体詩にあらずして、自己流の俗体詩をつづる。 普天の下は王土....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
に載せ、本船の周囲に集まる。また、織物を持ち来たりて甲板上に陳列し、乗客に購買を
勧む。各旅店より小汽船を出だして来客を迎え、あるいは小舟をこぎ来たりて上陸を
勧む....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
き、親方様の御異見になぜまあ早く付かれぬ、と責むるがごとく恨みわび、言葉そぞろに
勧むれば十兵衛ついに絶体絶命、下げたる頭を徐かに上げ円の眼を剥き出して、一ツの仕....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:鈴木行三
記法の便益にして必要なることを世に示すの捷径たるべしと、其の筆記に従事せんことを
勧む。予喜んで会員酒井昇造氏と共に圓朝子が出席する寄席に就き請うて楽屋に入り、速....