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勧善懲悪
「勧善懲悪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勧善懲悪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
太古の官服の模様として「取臣民背悪向善、亦取合離之義去就之義」といわれているが、
勧善懲悪《かんぜんちょうあく》や合離去就《ごうりきょしゅう》があまり執拗《しつよ....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
して、善人が栄え、悪人が亡び、可愛いゝ同志が夫婦になり、失いました宝が出るという
勧善懲悪の脚色は芝居でも草双紙でも同じ事で、別して芝居などは早分りがいたしますが....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
道徳――でないことは、判り切ったことだろう。文学の内にそういう通俗常識的道徳律や
勧善懲悪や教訓を求めることは、専ら通俗常識か道学者かの仕事であって、常識ある文学....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
に、ある一つの型に、すっかり嵌《はま》り込んで了っていること。 三に、概して、
勧善懲悪を目的としていること。そして、そのために、屡々《しばしば》、事実が極端に....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
置くまじきものと思われていた故、小説戯曲の作者は幇間遊芸人と同列に見られていた。
勧善懲悪の旧|旗幟を撞砕した坪内氏の大斧は小説其物の内容に対する世人の見解を多少....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
為めに、濡れ仏を建立いたしたという。これ新幡随院濡れ仏の縁起で、此の物語も少しは
勧善懲悪の道を助くる事もやと、かく長々とお聴にいれました。 藏筆記)....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
飛び離れた性道徳観の信奉者であったと思われないこともない。少なくも、恋愛の世界を
勧善懲悪の縄張りから解放すべきものと考えていたのではないかと思われるふしが少なく....
「余は大衆作家にあらず」より 著者:中里介山
徳性を含まぬものだ」と放言したものもある、これも不見識千万のもので、徳川時代から
勧善懲悪の型に入った文芸を少しばかり解放しようとした明治初期の一派文学者の口吻を....
「山中常盤双紙」より 著者:寺田寅彦
に描き分けたものらしい。 こういうことから考えてみると、この絵巻物は、一方では
勧善懲悪の教訓を含んでいると同時に、また一方ではおそらく昔の戦乱時代の武将などに....
「土の中からの話」より 著者:坂口安吾
のつたなさを嘆いているのである。ところが舶来の芝居は情け容赦がないもので、日本の
勧善懲悪みたいにピエロも末はめでたしなどということは間違っても有り得ず、ヤッツケ....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
手腕大精力と、それから強烈な自己の道義心と混淆化合してしまった芸術上の意見、即ち
勧善懲悪という事を主義にして数十年間を努力した芸術的良心の熱烈であった事は、どう....
「山道」より 著者:中里介山
か必然の意味を持ちたがり、因果応報の存在を信じ輪廻転生《りんねてんしょう》を信じ
勧善懲悪《かんぜんちょうあく》が自然の理法なりとして疑わない位ですから、まあ、一....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
育、名称の教育等、枚挙するにいとまあらず。 装飾の教育とは、例えば室内の装飾に
勧善懲悪に関する書画彫刻を用うるときは、知らず識らずの間にこれを見るものを教育し....
「日本文化の特殊性」より 著者:戸坂潤
れが社会的な公認性を得る時には、必ず何かの形でそこへ結びつけられる。芝居や戯曲が
勧善懲悪のためだというような民間ドラマツールギーは、そういう公認用被服の嘘から出....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
春水が教訓を標榜した草双紙であるが、然し此場合の教訓は誨淫の書といわれる人情本を
勧善懲悪などというよりも名実相副うものであろう。全篇悉くイソップ物語から取ったの....