勧説[語句情報] »
勧説
「勧説〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勧説の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
覗くようなことを言い前にして、金を集めようという、大騙りじゃ」と、中には市九郎の
勧説《かんぜい》に、迫害を加うる者さえあった。 市九郎は、十日の間、徒らな勧進....
「俊寛」より 著者:菊池寛
には、涙を流したが、帰洛の勧めには、最初から首を横に振った。有王が、涙を流しての
勧説も、どうすることもできなかった。 夜が明けると、それは有王の船が、出帆の日....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
鶏林八道蹂躙之事 対馬の宗義智が、いやがる朝鮮の使者を無理に
勧説して連れて来たのは天正十八年七月である。折柄秀吉は関東奥羽へ東征中で、聚楽の....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
は各々の父の髑髏と天主像を秘かに拝して居たのを、此頃に至って公然と衆人に示して、
勧説するに至った。立ち所に帰する者七百人に及んだが、領内の不穏を察して居た有馬藩....
「鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
、いよいよ朝幕の間が疎隔するばかりであるから、再度おだやかに上京したらどうかと、
勧説したが、幕府側の識者は、今おだやかに上京するなど、最も不利である。上京するな....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
一個の人民なり、しかしその述ぶるところは時の政府に忠告するにあらずして同胞人民に
勧説するにあり、しからばこの立論は少しく奇なりと言うべし。試みにその立論を換言す....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
は今少し何とか景気を盛りかえすまで、麹町の屋敷に止まっているように、くどく彼女に
勧説したのであったが、小夜子は七年間の不自然な生活も鼻についていた。クルベーのよ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
て陣容を整え、双方とも両院議員の勧誘に全力をつくし、或は意見書を送付し、或は訪問
勧説を行い、或は商工会その他の実業団体より請願書を出さしめなどした。そして、一方....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
に実現せず、実現しないどころか、いよいよ飢餓にさらされたとなれば、のぞみありげな
勧説《かんぜい》にも一抹《いちまつ》の疑いを持ち、不安にかられる心情を無視出来ま....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
をなして自立せしめようということは、前年即ち安政六年の末から、中丸昌庵が主として
勧説した所である。昌庵は抽斎の門人で、多才能弁を以て儕輩に推されていた。文政元年....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
に終夜詰切って慶喜公に持重さるべきよう諫争された。尤も松平春嶽公あたりよりも同じ
勧説があったので、慶喜公は遂に会桑侯等を率いて急に下阪せられることになった。そこ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
山初め有力なる朝日の社員は二葉亭をしていよいよ力を文学方面に伸ばさしめようと百方
勧説した。その度毎に苦い顔をされたが、何遍苦い顔をされても少しも尻込しないで口を....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
随分各地の藩に奉公していて、みな相当な地位の侍になっている。 けれど、そういう
勧説を持って行っても、藤次が予算していたように、おいそれと寄進帳へ筆をつけてくれ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
し照し合わせて、やや確かめることができはしないだろうか。こういった方法を少しずつ
勧説してみたいと私は思っている。是は衣料がこの頃のように、短い期間で変って行く場....
「予が出版事業」より 著者:柳田国男
っても知ることが出来ないので、自分が主とし馳け廻って、よい著述を持つ人を見つけて
勧説し、それを又同人に告げて承認してもらった。自分等ばかりは何でも最も力の籠った....