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勿体
「勿体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
勿体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ん》」を唱えた後、「かっぽれ、かっぽれ」をうたうことは滑稽《こっけい》にも彼には
勿体《もったい》ない気がした。
「寝るが極楽。寝るが極楽………」
玄鶴は何も彼....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ことば》もない、無残な御最期《ごさいご》でございます。その時の悲しさ、恐ろしさ、
勿体《もったい》なさ――今になって考えましても、蔀《しとみ》に迷っている、護摩《....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
み、――我々は今|想《おも》いやるさえ、肉が震《ふる》えずにはいられません。殊に
勿体《もったい》ない気のするのは磔木の上からお叫びになったジェズスの最後のおん言....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
それは敬礼で買うとは云わねえ。やれ×××××とか、やれ×××××だとか、いろんな
勿体《もったい》をつけやがるだろう。だがそんな事は嘘《うそ》っ八《ぱち》だ。なあ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
した。宇左衛門は、感動した。
「御手をおあげ下さいまし。御手をおあげ下さいまし。
勿体《もったい》のうございます。」
彼は、修理《しゅり》の手をとって、無理に畳....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
裁判《さばき》を受けられるとすぐに、一家のものどもを戸口《とぐち》へ呼び集めて、
勿体《もったい》なくも、御主の御悩みを、笑い興じながら、見物したものでござる。」....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
を伴《とも》につれて厚い外套《がいとう》を着てやって来た。上座《かみざ》に坐ると
勿体《もったい》らしく神社の方を向いて柏手《かしわで》を打って黙拝をしてから、居....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
主義などとは呼ばない筈だ。他に殉ずる心などとはいわない筈だ。そういうことはあまり
勿体ないことである。 愛は自己への獲得である。愛は惜みなく奪うものだ。愛せられ....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
の赤木の家へ行った。見ると石の門があって、中に大きな松の木があって、赤木には少し
勿体ないような家だから、おい家賃はいくらすると訊いて見たが、なに存外安いよとか何....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
いい事をいたしました。大事に蔵って置こうと存じながら、つい、うっかりして、まあ、
勿体ないこと。」 と、軽く前髪へあてたのである。念のため『たそがれ』の作者に言....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
煮染の皿の黒い蒲鉾を挟んだ、客と差向いに、背屈みして、 「旦那様、決してあなた、
勿体ない、お急立て申しますわけではないのでござりますが、もし、お宿はお極り遊ばし....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
みたいと云うと、奥様が過分な道具を調えて下すった。この七本竹の継棹なんぞ、私には
勿体ないと思うたが、こういう時は役に立つ。 一つ畳み込んで懐中へ入れるとしよう....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
でございますが、それでもだんだん感化されて、肉身のお祖父様のようにお慕い申上げ、
勿体ないとは知りつつも、私はいつしかこの神様を『お爺さま』とお呼び申上げるように....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
た妙子の顔の先へ、一挺のナイフを突きつけました。 「さあ、正直に白状おし。お前は
勿体なくもアグニの神の、声色を使っているのだろう」 さっきから容子を窺っていて....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
でねいか?」 と、気の弱い太郎右衛門は言いました。 「子供も不憫には不憫だども、
勿体ねい着物っこを着てるでねいか?」 と平生から少し慾の深い伊作は、赤児を包んで....