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「勿論〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

勿論の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
少年は父親の手を離れ、時々|玩具屋《おもちゃや》の前に立ち止まったりする。父親は勿論こう云う少年を時々叱ったりしないことはない。が、稀《まれ》には彼自身も少年の....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
場所は日比谷《ひびや》の陶陶亭《とうとうてい》の二階、時は六月のある雨の夜、――勿論《もちろん》藤井のこういったのは、もうそろそろ我々の顔にも、酔色《すいしょく....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《うわさ》が誰云うとなく、たちまち家中《かちゅう》に広まったのであった。それには勿論同輩の嫉妬《しっと》や羨望《せんぼう》も交《まじ》っていた。が、彼を推挙した....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
。が、何もし出さない内に、おぎん一人を残したまま、二人とも故人になってしまった。勿論《もちろん》彼等他国ものは、天主のおん教を知るはずはない。彼等の信じたのは仏....
お時儀」より 著者:芥川竜之介
るいは猫柳《ねこやなぎ》の花のような銀鼠《ぎんねずみ》の姿を現したのである。彼は勿論「おや」と思った。お嬢さんも確かにその瞬間、保吉の顔を見たらしかった。と同時....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
頬に浮んでいる、ゆたかな微笑と共に、遠慮なく二人の間へはいって来た。が、彼等は、勿論それには気がつかない。 「大分《だいぶ》下《しも》の間《ま》は、賑かなようで....
おしの」より 著者:芥川竜之介
《ひとま》き巻いた後《のち》、かすかに青珠《あおたま》を垂らしている。 堂内は勿論ひっそりしている。神父はいつまでも身動きをしない。 そこへ日本人の女が一人....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
》の「近代恋愛論」以来、一般に青年男女の心は恋愛至上主義に傾いていますから。……勿論近代的恋愛でしょうね? 保吉 さあ、それは疑問ですね。近代的|懐疑《かいぎ....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
う》か何かを渡していた。 こう言う半三郎の復活の評判《ひょうばん》になったのは勿論である。「順天時報《じゅんてんじほう》」はそのために大きい彼の写真を出したり....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
った。実際庭は縁先《えんさき》からずっと広い池になっていた。けれどもそこにはKは勿論、誰も人かげは見えなかった。 僕はしばらく月の映《うつ》った池の上を眺めて....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
せな風格があった。下町気質《したまちかたぎ》よりは伝法《でんぼう》な、山の手には勿論縁の遠い、――云わば河岸の鮪《まぐろ》の鮨《すし》と、一味相通ずる何物かがあ....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
は折角見て上げても、御礼さえ碌にしない人が、多くなって来ましたからね」 「そりゃ勿論御礼をするよ」 亜米利加人は惜しげもなく、三百|弗の小切手を一枚、婆さんの....
兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
池と一しょにいると、何時も兄貴と一しょにいるような心もちがする。こっちの善い所は勿論了解してくれるし、よしんば悪い所を出しても同情してくれそうな心もちがする。又....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
桁平が頻に蛇笏を褒めはじめた。当時の僕は十七字などを並べたことのない人間だった。勿論蛇笏の名も知らなかった。が、そう云う偉い人を知らずにいるのは不本意だったから....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
及ンでやっと三人かたまり五人集って、三里の道を博多へと帰り始めたとお思い下さい。勿論その時分乗りものが有ろう筈もない。 然るに湧き返る青年達の血潮は玄海灘から....