匂いやか[語句情報] »
匂いやか
「匂いやか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
匂いやかの前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
の陽春の三月ごろで、庸三の庭は、ちょうどこぶしの花の盛りで、陰鬱な書斎の縁先きが
匂いやかな白い花の叢から照りかえす陽光に、春らしい明るさを齎せていた。 庸三は....
「死者の書」より 著者:折口信夫
乳の辺に挙げ、脇の下に垂れた左手は、ふくよかな掌を見せて……ああ雲の上に朱の唇、
匂いやかにほほ笑まれると見た……その俤。 日のみ子さまの御側仕えのお人の中には、....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
果した。K君の忰は花とならずして終った。春の寒い夕、電灯の燦たる光に対して、白く
匂いやかなるこの花を見るたびに、K君の忰の魂のゆくえを思わずにはいられない。 ....
「寺町」より 著者:岩本素白
樹の多い山の手の初夏の景色ほど美しいものはない。始めは樹々の若芽が、黒々とした枝の上に緑の点を打って、遠く見ると
匂いやかに煙って居るが、その細かい点が日ごとに大きくなって、やがて一|刷毛、黄の....