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包括
「包括〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
包括の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
たるの覚悟を要する。すなわち、「いき」を単に種《しゅ》概念として取扱って、それを
包括する類概念の抽象的普遍を向観する「本質直観」を索《もと》めてはならない。意味....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
には異説もあるので、僕は専門家の鑑定を求めたのだよ。それに、易介の死とも時間的に
包括されている。召使の庄十郎は、当然絶命後一時間と思われる二時に、易介の呼吸を明....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
みるとやはり結局は「言葉」である。もっとも普通の世間の人の口にする科学という語の
包括する漠然とした概念の中には、たとえばラジオとか飛行機とか紫外線療法とかいうよ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
はかばかり統一せる調和せる自然に本質的なる罪悪の存在を許すに堪えなかった。かくて
包括的なる宗教的の立場より、罪悪を自然の外に排除せんと試みて、 深く考へて見れ....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
の範囲の広大なことを表現するものである。なるほど、この両極端の間には、随分広大で
包括的な問題の範囲がある。スクルージのためにこれほど大胆不敵な真似は敢てしないで....
「省察」より 著者:デカルトルネ
明に理解する一切のもの、言い換えると、一般的に見るならば、純粋数学の対象のうちに
包括せられる一切のものは、実際に有るのである。 しかるにその余のものについてい....
「科学的新聞記者」より 著者:桐生悠々
、宇宙に関する近代的理念は思ったよりも空漠である。この空漠性は最近の世紀に於ける
包括的思索が欠けているからである。その原因は、統一された中世紀の文明崩壊に次いで....
「決闘」より 著者:神西清
なく彼にはそれが牡蠣みたいなものに想像された)を基にして、人類の起原や生態までを
包括している問題を解こうとかかるのを見ると、腹が立ってならなかった。しかしナヂェ....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
書以上教科書以外、実生活に応用の便あるものすくなし。特に不便なるは漢字と国語とを
包括せざることなり。現在刊行の辞書につきて強て理想に近きものを求むれば、わずかに....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
えてみれば、あらゆる点において根本的に差別されているものとはいえない。いっさいを
包括してそれを現象という点からみても、いっさいの現象に共通性のあることは予想され....
「科学的研究と探偵小説」より 著者:小酒井不木
ろう。通常の科学的研究と探偵術との差異は、科学においてはあらゆる現象をことごとく
包括して結論を下さねばならぬに反し、探偵にありては、色々多数の現象に遭遇しても、....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
。 中世というのは鎌倉時代・吉野時代・室町時代そして安土桃山時代の始まるまでを
包括して便宜的に使った名称である。この時代は平安時代の伝統を承け継いで、全く京都....
「特殊部落と細民部落・密集部落」より 著者:喜田貞吉
いられ、その代りに所謂特殊部落に於いても、もはや改善救済を要せぬ様なものは、この
包括したる名称から除外する様になるのを希望するものである。しかしながら、かくなっ....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
第と存じ候う。しかるにもかかわらず、これらの同情者が依然として或る特殊の全部族を
包括する特別の名辞の下に、これを呼号するを要とする所以のものは、そこに或る融和し....
「特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
民改善、細民救済で十分である。これを部落とすれば、事実細民ならぬものもその仲間に
包括せられているから、真の細民が改善して、もはや細民ではなくっても、いつまでもな....