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「包物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

包物の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
を、風呂敷の中から出して細君の前に置いた。大の見栄坊《みえぼう》で、ちょっとした包物を持つのも厭《いや》がった昔に比べると、今の兄は全く色気が抜けていた。その代....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
れた物を、へえー」 手「それに此の品を上げて来いと仰しゃいました」 と手紙と包物を出しましたが、兼松は蒼くなって、遠くの方から、 兼「何だか分りやせんが、....
風流仏」より 著者:幸田露伴
あるべきにあらねば雇い婆には銭やって暇取らせ、色々|片付るとて持仏棚の奥に一つの包物あるを、不思議と開き見れば様々の貨幣合せて百円足らず、是はと驚きて能々見るに....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ようなはかないそんな歓楽がいつまでつづくと思っていたのか!」小脇に抱えていた丸い包物を島太夫の前へ突き出したが、「島太夫、十字架の前へ行け、この包物を開けて見ろ....
二つの家を繋ぐ回想」より 著者:宮本百合子
れがすむと、私が 「さあ、皆、眼をつぶって!」 と、大きな盆の上に、綺麗に飾った包物を盛りあげて、正面の大扉から現れる。その時の、罪のない亢奮! 光景《シーン....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の上で甲を脱がせはしたが、さりとて弁信は少しも勝ち驕《おご》るの色を見せず、首の包物の結び目に手をかけながら、ちょっと米友を振返って、 「米友さん、提灯《ちょう....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
が、向こう側の方からあけられて、さっき隣りの部屋へ入って行ったお菊が、手に小さな包物を持って、忍ぶようにこっちの部屋へ入って来たが、四辺に気でも配るように、オド....
南国太平記」より 著者:直木三十五
も御手伝い致します」 三人が、垣根のところへ引返すと、七瀬と、綱手とが、大きい包物を持って来た。小太郎が、仏壇を抱いて、よろめきつつ、廊下から降りて来た。深雪....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
しいと思う物がないか」という。何も欲しい物がないといいますと自分が家に帰って直に包物を持って来ました。 どれだけ入って居ったか知りませんが私は其包を押返して「....