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包蔵
「包蔵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
包蔵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いて知り得ただけから考えても、極めて少量な物質の中にでも非常に多量なエネルギーを
包蔵し得るものだということがわかるのである。 それで、太陽の内部はこの種の熱を....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
さ床上より約一丈)に麻縄約一尺(作業用紙袋材料を括りたるものを予て貯え、居室内に
包蔵しいたるものゝ如し)許りを輪形に結びたるものを懸け、更に自己の手拭と官給の手....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
記録」は客観的事実であり、これは科学の場合と同様に、無限なる利用と悪用の可能性を
包蔵している。 もちろんすべての知識には悪用の危険性を含んでいる。科学知識も同....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
大象無形。」というのを「無限に大きな四角には角がない。無限に大きい容器は何物をも
包蔵しない。無限に大きい音は声がない。無限に大きな像には形態がない」と訳してある....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
類にひとつの使命をもたらそうとしている種子――種子だから形は小さい。が、それだけ
包蔵する力は大きい――に相違ない、と。 これは決して単なる安価な愛国的感傷でも....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
・ふるいINKの海をしっぷ・ちゃんロン・ウウの小舟が撫でまわり・あらゆる不可能と
包蔵と神秘の湾――YES、港だから、毎日船がはいる。そのために来る夜もくる夜も、....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
せずにしまったところを見れば、何の彼のと安易に片付けてしまわれない、複雑な問題が
包蔵されていると考うべきである。この歌の、「恋ひ来れば」も、前の、「心|恋しき」....
「伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
乾燥した黄褐色の木の葉を盛り上げた深い森林――この際、彼には何か神秘的な特殊性を
包蔵する境区として結局はこの境区の何処かに彼の一寸ものに触れれば吼え出し相な頭の....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
、犠牲的な行動にまで刺衝したのは、同主義の唯物的必然論にもかかわらず、依然として
包蔵している人道主義的思想のためであったのだ。正義をもって社会悪を克服するという....
「九代目団十郎の首」より 著者:高村光太郎
その間ぬけさがたちまち溌剌と生きて来て晩年の偉大を成している。一切の秀れた技巧を
包蔵している大味である。神経の極度にゆき届いた無神経である。彼の第一の特色はその....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
作であるが、この像の持つ美の要素には十分注目すべきものがあり、日本美の特質を深く
包蔵している。わずか二尺八寸余の小像であるが古来世人の恭敬愛慕絶ゆる事なく、悪夢....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
こういう厳粛な敬虔な感動はただ芸術だけでは決して与えられるものでないから、作者の
包蔵する信念が直ちに私の肺腑の琴線を衝いたのであると信じて作者の偉大なる力を深く....
「道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
彼にゴマかされていたのである。時勢に暗く人を見るの明なき道鏡が、最後までも野心を
包蔵して僥倖を冀うていたということも、満更無理ではなかったのであろう。 要する....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
には童年書家の影響を物語るものがありありと窺えるのである。名手の外皮に童技童心を
包蔵していることは明瞭である。 元来、良寛様は相当圭角のある人であるようである....
「草木の暗示から」より 著者:小川未明
ば夏を楽しむことの出来るような生活が本当の生活であるのです。 自然は、無限美を
包蔵している。其れに対して、さながら盲目のように、私達は、其れを享楽することが出....