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化粧室
「化粧室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
化粧室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ですから、日本の文明はまだなかなかのものです。僕たちはこの地に着くと、停車場内の
化粧室で髭《ひげ》をそり、靴《くつ》をみがかせ、夜会に出ても恥ずかしくないしたく....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
一刻も早くこのような幽鬼の形相から脱《のが》れたいと思った。そのために彼は、隣の
化粧室の扉を蹴るようにして中へ飛び込んだ。 水をじゃあじゃあと出して、顔をごし....
「蠅男」より 著者:海野十三
だけの捜査材料を見つけだして置きたいと思った。 「ほう、これは廊下だ。――向うに
化粧室らしいものが見える。よし、あの中を調べてみよう」 彼は勇躍して、
化粧室の....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
屈になって来ると、彼はまた環境の変化を求めないわけにいかなかった。綺麗な風呂場や
化粧室などの設備のあるところとか、日本風の落着きのいい部屋や庭のあるところとか、....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
をおさえて話しかけるのであった。金博士が暁の寒冷にはち切れそうなる下腹をおさえて
化粧室にとびこんだとたん、扉の蔭に隠忍待ちに待っていたその客は、鬼の首をとったよ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
な建物。壮麗な新築飛行ホテル。整然たる発着所。待合室。絵葉書たばこ類売場。食堂。
化粧室。乗客と見送人の雑沓。ふたたび旅券検査。私たちにもバアンス夫人の一家と、妻....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
が濃くなって、さらに激しく入り乱れて動いた。 三 爐の右手にある
化粧室のドアがあいて、その口からさらに老婆の形があらわれた。老婆はその手に二通の....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
けました。」と、ジョウは答えました。 二人は、カーデナア夫人の家にいくと、その
化粧室で、かなり長いあいだ鏡をのぞいてから、すこしびくびくしながら、階下におりて....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
してこの劇は、追従《ついしょう》的な画面のように、彼らの萎靡《いび》した宿命観、
化粧室の涅槃《ねはん》境、柔弱な憂鬱《ゆううつ》、などの象《すがた》を映し出して....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
てみた。が扉はびくともしなかった……。彼はそれと悟った。アンナは居室につづいてる
化粧室に、小さなガス暖炉をもっていた。その口を開け放したのだった。もう扉を打ち破....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
人は、青い空色の繻子《しゅす》を張ったX脚の床几《しょうぎ》がそなえてある自分の
化粧室で、禁止になったウーリカを三、四人の友に読んできかしていた。ルーヴルの美術....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ら間もなくご病気が起こったのだそうで……。そうして、おかしいことには、お姫さまの
化粧室に置いてあって、いつもお使いになる古代の鏡が同時に失くなっていたのだそうで....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
人が、いずれも子供を連れて写真をうつしに来ているのだった。娘たちが顔や髪を直しに
化粧室に行っていたので、おたかはあわてて呼び戻しに行き、そして挨拶がはじまった。....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
れを馬鹿にしたことになるのであります。近ごろ料理屋などには、廊下の突当りなどに「
化粧室」と札を打つのを見ることがある。妙なところに
化粧室があるものだと問うてみる....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
けなダイヤなんかみっともないぞ――」 「だから、――大きいの、買うわ」と、勢よく
化粧室に飛び込み、パッフで顔を叩いて、外套に手を通しながら、浮き浮きとして出て来....