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化粧水
「化粧水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
化粧水の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
れ、看護服の裳《もすそ》がサラサラと鳴った。薬のにおいの中に、看護婦の顔からは、
化粧水の芳香が、蜘蛛《くも》の糸のようにあとを引いて流れた。 椅子《いす》には....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
り出した。 「尊家は仙方延寿丹《せんぽうえんじゅたん》、または江戸の水とやら申す
化粧水を売り出し、引札を書き、はなはだしきは御著作の中にその効能を広告なさるとい....
「風琴と魚の町」より 著者:林芙美子
10 誰の紹介《しょうかい》であったか、父は、どれでも一瓶《ひとびん》拾銭の
化粧水《けしょうすい》を仕入れて来た。青い瓶もあった。紅《あか》い瓶も、黄いろい....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
いっていたのに――」 事務所へかえる前、泰造は丸ビルへよって髭剃りあとへつける
化粧水を買った。 「前崎でいるようなものないかしら。――わたし、これから動坂へ行....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
と竹の歯ブラシ。三四本の新しい筆。小さな墨汁の鑵。頬紅と口紅を容れたコンパクト。
化粧水。香油。クリーム。練白粉の色々……等々々。いずれも、斯様な部屋に似合しから....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
勘三が元気よく、往来へ出て行くと、寛子は落ちつきのない容子で、鏡台の前に坐った。
化粧水も髪油もとうの昔に空っぽだ。ああ早く三百円にお目にかかってあれもこれも……....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
んなんかと友人で、硯友社連中の文士芝居に、ドロドロの火薬係をやった人でして、その
化粧水をポマドンヌールと命けていた。どういう意味か珍な名のものだ。とにかく売れた....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ば》に逢《あ》ったことがある。そうさ、五十四、五に見えた。猿のしるしのある家で、
化粧水を売っていたっけ。倉の二階住で、じんきょやみのくせに妾《めかけ》があった。....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
げるわ。」 周平は顔を挙げて、針の手先から眼を離さないでいる彼女の方を眺めた。
化粧水と水白粉《みずおしろい》とだけを薄《うっ》すらと刷いた横顔が、神々しいほど....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
それらの、美《うる》わしい中流人士的魂の朗らかな凡庸さ。りっぱなパンやラヴァンド
化粧水や方正や温情などの香《かお》りのする、健全な優雅さ、精神的および肉体的な清....
「深夜の電話」より 著者:小酒井不木
た。 「これは、たしかに盗賊が落としていったものですか」 「はあ、うちでは色々の
化粧水や薬品を使いますから、はじめは、うちの罎かと思いましたが、よく検べてみると....