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化粧箱
「化粧箱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
化粧箱の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
百二十二
津田はすぐ第二の予防策に取りかかった。彼は床の上に置かれた小型の
化粧箱を取《と》り除《の》けて、その下から例のレターペーパーを同じラヴェンダー色....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
よ母様よと口に出して唱いたくなってくる。
今晩は市民座の公演会だ。男は早くから
化粧箱と着物を持って出かけてしまった。私は長いこと水を貰わない植木鉢のように、干....
「南路」より 著者:宮本百合子
夕方着く△△△で降ります。――いつ頃御結婚になりまして?」 こまごましたものを
化粧箱にしまっていた自分は、我知らず意外な感に打れた。 彼女は、鏡の方に向いた....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
トに納めた。 「しかしその写されたあとの青写真は……」 「又もとの通りに畳んで、
化粧箱の中へ返しておきました。けれどもその後船の中でもう一度、もっとハッキリ写そ....
「さしえ」より 著者:宮本百合子
画がついていた。ハダカ電燈のつり下ったせまい台の上に立て鏡だの大きなはけの見える
化粧箱がおかれていて一寸見には楽屋かと思える場所で、若い娘が手紙をかいている画で....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
の連中、障子を破いて料理の通《かよ》い口をこしらえるやら、見事な蒔絵《まきえ》の
化粧箱を、飯櫃《めしびつ》に使うやら、到らざるなき乱暴狼藉。
その真ん中に泰然....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
な》、本箱と金縁の書物、文具箱、吸い取り紙、真珠貝をちりばめた仕事机、銀めっきの
化粧箱、日本陶器の化粧道具。寝台の帷と同じ三色の色彩がある赤地のダマ織りの長い窓....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
、父様よ母様よと口に出して唱いたくなる。 今晩は市民座の公演会、男は早くから、
化粧箱と着物を持って出かけてしまった。 私は水をもらわない植木鉢のように干から....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
四角なものがしきりにドスドス落ちてくる。拾ってみるとロシア・キャンデーを詰合せた
化粧箱で、三色版のクレムリン宮の絵の上にロシア語で、〈モスクワ製原始爆弾(原子爆....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
サト子は、穿きかえの靴や、アクセサリーや、そういう小道具を入れた、モデルの仲間が
化粧箱といっている大きな太鼓型のケースをさげ、参道の左手の低い石門を入ると、池の....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
装室であるように出来ていて、あらゆる参考図書は固より、ペン、インキ用箋の文房具、
化粧箱、各種の衣服を始めとして、仮髪、附鬘の類から、種々の装身具小道具まで巧みに....