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化膿
「化膿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
化膿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女人訓戒」より 著者:太宰治
えて、当時の新聞にも出たそうである。然《しか》しながら数日の後に其の接眼の縫目が
化膿《かのう》した為めに――恐らく手術の時に消毒が不完全だったのだろうと云う説が....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
なるを悵恨するよりは、一方のかこみを打破った奮闘の勇気に快味を覚ゆる時期である。
化膿せる腫物を切開した後の痛快は、やや自分の今に近い。打撃はもとより深酷であるが....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
とになりますが、貴下の傷は幸運にも上膊動脈と上膊骨との中間をうまく貫いています。
化膿さえしなければ、ズンズンよくなりますよ」 総監は口を緘したまま、首を振って....
「地球盗難」より 著者:海野十三
「どうもまだ分りませんな。気が一向ハッキリして来ねえのです。傷の方は、いい塩梅に
化膿しないで済みそうですよ。明日一杯が勝負というところでしょうな」 「そうか。君....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
は、支那商館の石の窓口から、とびこむとき、向う脛をすりむいた。沃丁を塗ったあとが
化膿して、巻脚絆にしめられる袴下は、傷とすれた。びっこを引きながら整列に加わった....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
るのである。 背中の灸《きゅう》の跡を夜寝床ですりむいたりする。そのあとが少し
化膿《かのう》して痛がゆかったり、それが帷子《かたびら》でこすれでもすると背中一....
「恐竜島」より 著者:海野十三
痛《げきつう》をおこすことになる。さらにその後になると、傷口からばい菌がはいって
化膿《かのう》し、全く歩けなくなってしまう、熱帯地方では、傷の手当は特に念入りに....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
体を繃帯で巻き立てているのは、かなりつらいことであった。また、そのためにかえって
化膿したりする恐れもあったので、二三日もたっと、薬だけが紙にのばして貼られること....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
にきたのだって、いわば手当の法を教えてもらいたいと思ったからだぜ。自分流儀じゃ、
化膿してゆくばかりだからな」 青木は涙をまぎらすような力のない笑い声をたてた。....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
して間違いではない。ただその方法に問題があるんだ。何だか、いま聞いたところでは、
化膿した盲腸を叩きつぶして、腹膜の原因を作った、といった恰好ではないかね。」 「....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
心臓はその血を休養の為めに四肢へ分散するのか。でなければこの都会の内臓は充血して
化膿するだろう。 人の流れに逆らって歩るくちょっとした非興奮音楽的の行進曲。擦....
「猫と村正」より 著者:小酒井不木
私はそれからすぐ病院にかつぎ込まれ、右の眼はつぶれただけですみましたが、左の足が
化膿してついに膝から下を切断するのやむなきに至りました。後妻の葬式は親戚や知人の....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
とが出来たのであります。 次になお不快な現象と見るべきものは、黴菌のために起る
化膿です。然し、注意して器具を消毒し、所謂無菌的に手術を行えば、家兎の血液は黴菌....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
た。キング・フィリップの苦悩は、ついに終末を告げるときに達した。頭から足の先まで
化膿した腫物に蔽われながら、いうにいわれぬ苦痛の身を、瀕死の床に横たえる彼だった....
「蛆の効用」より 著者:寺田寅彦
ていた。 戦場で負傷したきずに手当てをする余裕がなくて打っちゃらかしておくと、
化膿してそれに蛆が繁殖する。その蛆がきれいに膿をなめつくしてきずが癒える。そうい....