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「化鳥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

化鳥の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
天狗じゃ」 岸の上では群衆《ぐんじゅ》が俄にどよめいた。天狗か何か知らないが、化鳥《けちょう》がつばさを張ったようなひとむらの黒雲が今度は男山《おとこやま》の....
倫敦塔」より 著者:夏目漱石
ちばし》をとがらせて人を見る。百年|碧血《へきけつ》の恨《うらみ》が凝《こ》って化鳥《けちょう》の姿となって長くこの不吉な地を守るような心地がする。吹く風に楡《....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
眼を閉じていた。 やがて家のまわりに電光雷鳴、その人のゆくえは知れなくなった。化鳥 ※某はかつて湖広の某郡の推官となっていた。ある日、捕盗の役人を送って行っ....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
わしつつ近づいた。 巣から落ちた木菟の雛ッ子のような小僧に対して、一種の大なる化鳥である。大女の、わけて櫛巻に無雑作に引束ねた黒髪の房々とした濡色と、色の白さ....
紅玉」より 著者:泉鏡花
蘭奢待、蘭奢待。 一の烏 鈴ヶ森でも、この薫は、百年目に二三度だったな。 二の烏化鳥が、古い事を云う。 三の烏 なぞと少い気でおると見える、はははは。 一の烏 ....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
を籠めて、袴は霧に乗るように、三密の声は朗らかに且つ陰々として、月清く、風白し。化鳥の調の冴えがある。 「ああ、婦人だ。……鷺流ですか。」 私がひそかに聞いた....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
吉が幹の支えを失って、手をはずして落ちようとした。堂の縁の女でなく、大榎の梢から化鳥が呼んだように聞えたのである。 「……小県さん、ほんとうの小県さんですか。」....
無題(五)」より 著者:宮本百合子
ろう。鏡花がこの頃雲中語で、源三位に(多分緑雨だろう)これは落咄さと片づけられた化鳥を書いて居る。人間氏が「余程変てこに化けて来たようだ。この上はどこまで化ける....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
憚らない、「ノウトルダムの妖怪」という新事実があるのだ。 妖怪は、塔の上の変獣化鳥、半人半魔の奇異像である。 まあ、聞きたまえ。 7 故郷を見捨....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
のであった。 家斉公はまじろぎもせず大鵬の姿を見詰めていたが、 「聞きも及ばぬ化鳥のありさま。このまま見過ごし置くことならぬ! 誰かある射って取れ!」 「はっ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
いる原始林は夢から醒めて騒ぎ出した。葉は葉と囁き枝は枝と揺れ幹と幹とは擦れ合って化鳥のような声を上げる。風が征矢のように吹き過ぎる。雲のように塊まった鳥の群が薔....
多神教」より 著者:泉鏡花
や何とも……この頃の三晩|四晩、夜ふけ小ふけに、この方角……あの森の奥に当って、化鳥の叫ぶような声がしまするで、話に聞く、咒詛の釘かとも思いました。なれど、場所....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
あの当時の唄にそのままです。 飛びついて抱こうとする手が硬ばって動かない。化鳥のごとく飛びかかった、緋の扱帯を空に掴んで、自分の咽喉を縊めようとするのを、....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ら、いたずらものを威嚇するのは十分だが、慌しく映るものは――天女が――縞蛇に――化鳥に―― またたちまち…… 「やあ、轆轤首の女だ、運五郎。」 ドシンと天狗....