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「北方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

北方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の父と母」より 著者:有島武郎
であり、母は理性的であるように想う。私たちの性格は両親から承《う》け継いだ冷静な北方の血と、わりに濃い南方の血とが混り合ってできている。その混り具合によって、兄....
弓町より」より 著者:石川啄木
た。私は生れて初めて酒を飲んだ。 ついに、あの生活の根調のあからさまに露出した北方植民地の人情は、はなはだしく私の弱い心を傷づけた。 四百トン足らずの襤褸《....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
いてくれるだろう。私はそれをたよってさらに書き続けて行く。 鰊の漁期――それは北方に住む人の胸にのみしみじみと感ぜられるなつかしい季節の一つだ。この季節になる....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ナビアの古代の民のそれである。これは奇妙なことと思われるかも知れない。しかしこの北方における我々の祖先が既に石器時代以来、すなわち、数千年間スカンジナビアに住居....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
いる。 東亜大陸に於ては漢民族が永く中核的存在を持続し、数次にわたり、いわゆる北方の蕃族に征服されたものの、強国が真剣に相対峙したことは西洋の如くではない。殊....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
夜だ。家族を壕へ入れる。敵は二機だ。帝都の西方(わが家は帝都西部に位置する)より北方へ抜けたが、また引返してきた。珍しく高射砲が鳴りだした。 「壕へ入ってよかっ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
バノフと呼ばれたヘルメットの紳士も、はればれと笑った。 二人がいましも見送った北方の水平線には、二条の煙をあげた二隻の軍艦が小さく見える。 いうまでもなく、....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
き、実に五十年の長きに亘った。 再び旅行の事に戻ろう。デビーはゼネバを立って、北方ローザン、ベルン、ツーリヒに出で、バーデンを過ぎてミュンヘンに行き、ドイツの....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
を習ひける 北枝 野田山のふもとを翁にともないて、と前がきしたのが見える。北方の逸士は、芭蕉を案内して、その金沢の郊外を歩行いたのである。また…… 丸岡....
妖怪学」より 著者:井上円了
し連想ならん。人の北を枕として寝ぬるを嫌うは、死人を常に北に向けて枕せしむると、北方は陰にして死をつかさどるというとよりきたりしなり。また、さきに田虫のマジナイ....
迷信解」より 著者:井上円了
しかるに、この星を方位に配当して吉凶を判ずることがある。例えば、「一白の人の星は北方をつかさどり、三碧の人の星は東方をつかさどる、云云」と説きて方位の鑑定をする....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
南方霞岳に対しては、南穂高の鋭峰、東北、常念岳や蝶ヶ岳を邀うには、屏風岩の連峰、北方の勁敵、槍ヶ岳や大天井との相撲には、北穂高東穂高の二峰がそれぞれ派せられてい....
西航日録」より 著者:井上円了
望実に壮快を極め、その光景の雄壮なること、島国人種の想像しあたわざるところなり。北方一帯はヒマラヤ連山をもって囲繞し、畳々綿々、一峰は一峰より高く、一山は一山よ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
穏波軽風、朝来ときどき小巒州の波間に隠映するあり。午時太陽を仰ぐに、頂天よりやや北方にあるを覚ゆ。船中に遊泳場を設け、朝夕客をして浴泳をなさしむ。夜に入り黒雲四....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
露戦争はモルトケの戦略思想に従い「主作戦を満州に導き、敵の主力を求めて遠くこれを北方に撃攘し、艦隊は進んで敵の太平洋艦隊を撃破し以て極東の制海権を獲得する……」....