北辺[語句情報] » 北辺

「北辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

北辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蒲団」より 著者:田山花袋
立ち候毎に、茶色の帽子うつり候ようの心地致し、今|猶まざまざと御姿見るのに候、山北辺より雪降り候うて、湛井よりの山道十五里、悲しきことのみ思い出で、かの一茶が『....
李陵」より 著者:中島敦
続けられるような行軍ではなかった。 毎年秋風が立ちはじめると決《きま》って漢の北辺には、胡馬《こば》に鞭《むち》うった剽悍《ひょうかん》な侵略者の大部隊が現わ....
石狩川」より 著者:本庄陸男
急坂はうそのように思われた。なだらかな眺望になるまで遠ざかっていた。 しかも、北辺警備の本心を蝦夷《えぞ》地開拓の言葉につつんでうろうろしていた開拓使庁は、漠....
十二支考」より 著者:南方熊楠
《たぐ》い高麗錦《こまにしき》、新羅斧《しらぎおの》など『万葉集』中いと多し(『北辺随筆』)、カケは催馬楽《さいばら》の酒殿の歌、にわとりはかけろと鳴きぬなりと....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
くに、当時に於ても遠く北鮮からの小舟すらも少からぬ高句麗の人々をのせて越や出羽の北辺にまで彼らを運び随所に安住の部落を営ませていたであろうということを念頭にとど....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
へ落ちのびても、日夜近隣の大人、子供に投石されるような惨めさで、義経、ベンケイも北辺へ落ちのびてからはダメであったが、ジコーサマもそれ以下である。辛くも呉清源の....
西航日録」より 著者:井上円了
昨夜辞新府、今朝到北陲、車窓何所見、草野緑無涯。 (昨夜|新府を離れて、今朝は北辺の地に至る。車窓から見えるところは何か、それは草野の緑が果てもなく広がってい....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
獅子の如く、 足早きこと鹿の如く、 血の熱することイタリア人の如く、 堅忍不抜は北辺の民の如しと云う工合です。 その先生にお頼なさって、宏量と狡智とを兼ねて、 ....
三国志」より 著者:吉川英治
を落し、市から馬匹を購入して、北国へ売りに行こうとしたのですが、途中まで参ると、北辺の山岳にも、黄賊が道をふさいで、旅人の持物を奪い、虐殺をほしいままにしておる....
三国志」より 著者:吉川英治
か。馬超とは」 近づかぬうちから、曹操は内心一驚を喫した様子である。文化に遠い北辺の胡夷勢と侮っていたが、決して、彼は未開の夷蛮ではない。 「やよ。馬超」 「....
三国志」より 著者:吉川英治
強壮らしいが、山野の気性を失って、いつの間にか鈍重になっている。――我には、西境北辺に、連年戦うて、艱苦の鍛えをうけた軽捷の兵のみがある。何をか恐れん」 と、....
」より 著者:中谷宇吉郎
活機ノ気ヲ包含ス 故ニ土地ノ肥沃ヲ醸《かも》ス 第十 雪輝ヨク諸物ヲ照明ス 故ニ北辺ニ於テ冬日ノ暗室ヲ照シ冬夜ニ明《めい》ヲ与フ 第十一 積雪尺ニ盈《みつ》レバ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
功を祈念する。 糧秣その他作戦軍の給養を良好にするため北満の開発が大切であり、北辺工作はその目的が多分に加味されている事は勿論である。しかし日本軍自体もこの点....