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「匝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

匝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高山の雪」より 著者:小島烏水
易に区別が出来る。また富士山の「御中道めぐり」と称して、山腹の五、六合目の間を一《いっそう》する道がある。これを巡ると、大宮口から吉田口に到るまでの間に殊に多....
雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
ように晴れて、北風が起り初めた、鳶が一羽、虚空に丸く輪を描いて山体の半分を悠揚と《め》ぐって、黒い点となって、遥かに消え失せた。 頂上を仰ぐと、平ッたい赭渋....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
詩がかった野蛮人になると、アキリスがヘクトーの死骸を引きずって、トロイの城壁を三《さんそう》したとか、燕《えん》ぴと張飛が長坂橋《ちょうはんきょう》に丈八《じ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
はいかに綿密であろうとも――のみを廻転し囲繞している。理智的にその結論が如何に周で正確であろうとも、それが果して本能なる愛の本体を把握し得た結論ということが出....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
と鳴る。打たなと気が付た頃には、敵の奴めワッと云て山査子の叢立に寄懸って了った。ればられるものを、恐しさに度を失って、刺々の枝の中へ片足|踏込で躁って藻掻い....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
、東の谷、西の谷、北の谷から霧が吹いて来て、その裾は深谷の方に布きながら、頂上をぐって、渦を巻いている。西北の仙丈岳を前衛として、駒ヶ岳、鋸岳、木曾駒山脈の切....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ちまち跳り出で驚き走る、前足に物あり、色白く衣帯のごとし、※繞《えいじょう》数|《そう》、遽《にわか》にこれを解かしむ、血流数升、白これを異《あやし》み、つい....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、『大薩遮尼乾子受記経』にのみ白馬として居る。日に閻浮提《えんぶだい》洲を三度|《めぐ》って疲れず王の念《おも》うままになって毎《いつ》もその意に称《かな》う....
九代目団十郎の首」より 著者:高村光太郎
殺自在の運動を有った二重瞼の巨眼であって、両眼は離れずにむしろ近寄っている。眼輪筋は豊かに肥え、上眼瞼は美しく盛り上って眼瞼軟骨の発達を思わせる。眼瞼の遊離縁....
二十六夜」より 著者:宮沢賢治
、座を離《はな》れ、低く飛揚《ひよう》して、疾翔大力を讃嘆《さんたん》すること三《さんそう》にして、徐《おもむろ》に座に復し、拝跪《はいき》して唯《ただ》願う....
上野」より 著者:永井荷風
ヶ岡ハ其ノ東北ニ亘リ一山皆桜樹ニシテ、矗々タル松杉ハ翠ヲ交ヘ、不忍池ハ其ノ西南ヲ《メグ》ル。満湖悉ク芙蓉ニシテ※々タル楊柳ハ緑ヲ罩ム。雲山烟水実ニ双美ノ地ヲ占....
痴人と死と」より 著者:ホーフマンスタールフーゴー・フォン
あるきっかけで舞台に出て受持《うけもち》だけの白《せりふ》を饒舌《しゃべ》り、周《まわり》の役者に構わずに己《うぬ》が声を己《うぬ》が聞いて何にも胸に感ぜずに....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
まじと周囲を見廻した。直ぐ目の下に鴨緑色の水を湛えた菅沼が手に届く程に近い。湖をって鬱蒼たる針葉樹の梢が無数の鉾を建て連ねたように、水際からひら地へ、ひら地か....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
曇りを帯びた鋼のように冷たく沈んだ色を見せて、静に霧の底に横たわっている。それをって山の裾らしい朧ろの線が、雪田の縁に固く凍み付いて、上の方は有耶無耶に化けて....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
く降り出したので、とある大岩の根方に逃げ込んで僅に夫を凌いだ。岩の軒からは私達をって雨垂れが太い水晶簾を懸る。それを水呑に受けて渇いた喉を潤した。温るいが旨い....